かめだPOST 心臓アミロイドーシス

心アミロイドーシスとは

心アミロイドーシスは、体の中にあるタンパク質の一部が「アミロイド」と呼ばれる形に変化し、心臓にたまってしまう病気です。心筋症と呼ばれる心臓の筋肉に異常がおこる病気の1つです。アミロイドが心臓に沈着すると、心臓の筋肉が硬くなり、血液を送り出す力が弱くなります。原因となるタンパクの種類により、「AL型(免疫のタンパクが原因)」と「ATTR型(トランスサイレチンというタンパクが原因)」に分けられます。ATTR型には、遺伝によるタイプと、加齢によって起こるタイプ(野生型)があります。

症状

初期には「疲れやすい」「息切れがする」「足がむくむ」などの軽い症状が起こります。全く症状がなく、心電図や心エコー検査の異常で偶然発見される場合もあります。病気が進行すると息苦しさが悪化し、立ちくらみ、失神、不整脈が出ることがあります。高齢で原因不明の息切れやむくみなどの心不全の症状を認める場合に、この病気が疑われます。
また、手のしびれが起こる手根管症候群や腰から足のしびれや痛みが起こる脊柱管狭窄症を先に発症することもあります。

診断のための検査

心電図で心アミロイドーシスを疑う変化がないか、また心エコーで心臓の壁の厚さや動きの異常がないかを調べます。血液検査・尿検査では、血液の病気としての治療が必要なAL型の評価を行います。ATTR型の心アミロイドーシスを疑うときは、ピロリン酸シンチグラフィという核医学検査がとても重要な検査で、心臓への薬の集積を確認します。診断を確定するためには皮膚や脂肪、あるいは心筋の一部を採取して、アミロイドの沈着を確認することがあります。必要に応じて遺伝子検査も行い、遺伝によるタイプと加齢によっておこるタイプの診断をします。

治療法

治療は大きく「症状をやわらげる治療」と「原因そのものに対する治療」に分かれます。
症状をやわらげる治療では、息苦しさやむくみに対しては利尿薬を使い、脈の乱れにはペースメーカや不整脈の薬を使うことがあります。
原因そのものへの治療では、AL型では骨髄の異常タンパクを減らすための化学療法が行われます。ATTR型では、原因タンパクの働きを安定させる薬(タファミジスなど)や、タンパクの産生を抑える薬が使われます。これらは病気の進行を遅らせる効果があります。
早期に発見し、専門的な治療を受けることで、症状の進行を防ぐことができます。気になる症状がある場合は、循環器専門医にご相談ください。

受診予約

亀田クリニック 循環器内科
予約センター
04-7099-1111
※ 08:00~17:00(第3土・日曜・祝日除く)
監修者
亀田総合病院
循環器内科 部長 植島 大輔

【専門分野】
心臓構造疾患、末梢動脈疾患、虚血性心疾患、肺動脈疾患、心臓弁膜症

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