かめだPOST 緩和放射線治療の適応​

これらのような症状があれば、鴨川本院放射線治療センターにご相談ください。​

緩和放射線治療とは

緩和放射線治療は、がんによるつらい症状を和らげることを目的とした治療です。がんを完全に治すことは目指さず、
痛みを和らげる、呼吸や食事を楽にする、出血を止めるなど、日常生活の質(QOL)を高めるために行われます。

疼痛

・骨転移​
・胸膜、腹膜などの被膜浸潤​
(⇨ 胸膜播種や多発肝転移 等)​
・神経や軟部組織への浸潤・圧排​
(⇨ 悪性腸腰筋症候群 等)​

出血・潰瘍​

・消化管出血​
(⇨ 食道・胃・大腸がん 等)​
・血痰、喀血、血尿、性器出血​
・局所進行乳がんや皮膚転移​
(⇨ 出血のほか、浸出液や悪臭にも有用)​

狭窄・閉塞

・気道​
(⇨ 直接浸潤、圧排、転移 等)​
・消化管​
(⇨ 食道・胃・大腸がん 等)​
・上大静脈症候群​

神経症状​

・脳転移​
(⇨ 場所によって様々な症状)​
・脊髄圧迫​
(⇨ 麻痺になる前に!)​

緩和放射線治療のスケジュール

線量 回数 適応
8グレイ×1回 計画1回 + 照射1回 疼痛緩和
4グレイ×5回 計画1回 + 照射5回 出血・狭窄・脊椎圧迫
3グレイ×10回 計画1回 + 照射10回 全脳照射

※がんの治療に使われる「放射線」は、体の中のがん細胞を壊すために照射されます。このとき、「どれくらいの放射線を体に当てたか」を表すのが「グレイ(Gy)」という単位です。

緩和放射線治療の効果​

有痛性骨転移に対する緩和的放射線治療成績​
・疼痛緩和効果は60~90%程度、QOLの改善
・緩和的放射線治療2~8週後ほどで、疼痛緩和が最大となる
転移性脊髄圧迫に対する成績(歩行)​
・照射前歩行可→ 80%、照射前不全麻痺→ 40%、照射前完全麻痺→ 7%

緩和放射線治療の有害事象​

・基本的に照射部位に起こります​。
・照射部位や線量によって症状や頻度が異なります。​
・緩和的放射線療法では症状緩和・QOLの改善を目的としているため、なるべくつらい有害事象を起こさない様、心がけています​。
・根治的治療よりも総線量が低いため、症状は一般的には軽微で臨床的に問題となる事は少ないです​。

再照射​

・前回の放射線治療から2−3ヶ月経っていれば2回目の放射線治療が多くの場合可能です。2回目の照射線量は8グレイ1回が多いです。​
・全脳照射の再照射はできません。​

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