痙縮とは
脳卒中や頭部外傷、脊髄損傷などが原因で筋肉の緊張が高くなってしまうことです。例えば以下のような症状があります。
・わきが開かず着替えづらい
・握りこぶしが開きにくく洗えない
・肘や膝が伸びづらい
・足首が下がって引っかかる、歩きにくい
・踵がつかない、足首が内側を向いてしまう
・足の指が握りこむようになってしまう
痙縮により、日常生活への支障や介護のしにくさなどにつながることがあります。
そのまま歩き続けることで関節に負担がかかってしまう場合もあります。
ボツリヌス治療について
痙縮の治療法の1つであり、亀田クリニックで治療を受けることができます。
ボツリヌス菌が作り出す毒素を薬剤にしたものを筋肉注射で投与します(ボツリヌス菌の感染の心配はありません)。何か所・どこへ注射するかは症状に合わせて調整をします。
効果と副作用
筋肉の緊張を和らげ、上記のような症状の緩和をすることができます。
副作用としては、他の薬剤と同じように人によってはアレルギー症状を起こすことがあります。初回の投与後は経過観察のため、お帰り前に院内で30分程度過ごしていただきます。脱力等の症状が出る場合もありますが、薬剤の効果が弱まると改善します。このほか、一時的に注射部位の痛みや腫れ、出血等が生じることがあります。気になる症状があれば担当医にご相談ください。
治療のスケジュール
初回の受診では、まずお困りごとや目標(改善したいこと、できるようになりたいことなど)を確認します。初回来院日は当日のボツリヌス治療はできません。あらかじめご了承ください。
注射後は2~3日から2週間程度で効果がみられ、3~4カ月持続することが多いです。当院では通常、初回注射後1~2ヵ月で一度ご来院いただき、効果や副作用の確認をしております。その後は通常3~4カ月毎に注射や診察を行います。
数回繰り返して行うことで、より効果が見られる場合があります。このため継続するかどうかは、数回の治療を行ってから判断されることをおすすめしています。
費用負担
保険適応の薬剤ですが比較的高額です。治療を行うかどうか、ご本人やご家族の困り具合や目標をお聞かせいただき、ご相談しましょう。身体障害者手帳で一定以上の等級が認定されている場合は、他の治療と同様に医療費の減免があります。
リハビリテーションについて
充分な効果を得るために、ボツリヌス治療と合わせてリハビリテーションを行うことをおすすめしています。
介護保険や通院でのリハビリテーションを行っている方はぜひ継続してください。必要に応じて、ボツリヌス治療に関する情報提供を行うこともできます。
介護保険や通院のリハビリテーションを行っていない場合には外来リハビリテーションのご相談も可能です。
お問い合わせ、申し込み
痙縮でお困りの方やボツリヌス治療をご希望される場合は、亀田クリニック リハビリテーション科外来へご相談ください。
