かめだPOST 髄膜腫(脳神経外科分野における神経症種の治療)亀田総合病院

髄膜腫とは

髄膜腫とは、脳の周りを囲っている“硬膜”という構造から発生する腫瘍です。硬膜は頭蓋骨と脳の間にあるため、この髄膜腫も頭蓋骨と脳の間のスペースに存在します。 即ち髄膜腫は脳内にないので、そのもの自体は脳の機能に障害を来たさないということになります。しかし、これらの構造物は、頭蓋骨の内部の容量に制限を受けます。頭蓋骨内の容量の上限を越えて髄膜腫が成長すると、正常な脳に良くない影響を及ぼし始めるため、治療介入が必要になります。 髄膜腫は、原発性脳腫瘍の中では、発生頻度の高い腫瘍で、神経膠腫についで二番目です。 髄膜腫は基本的に“良性”腫瘍で、再発を繰り返す悪性の髄膜腫は稀です。

症状

発生場所による違い

髄膜腫がどのような症状を呈するかは、髄膜腫が頭蓋骨の中のどこに発生するかにより異なります。
上記に述べた髄膜腫の発生元となる硬膜は、脳の周りを一周ぐるっと囲っているため、脳の機能のどこにでも障害を与える可能性があります。

脳圧と血流障害による影響

脳を圧迫することによる機能障害の他にも、圧迫が高度となったり、圧迫により血液の流れが妨げられたりすることがあると、正常の脳にむくみを生じます。これによりてんかん発作を起こすことがあります。

診断方法・重症度

症状のある場合

症状がある場合は、その症状の問診や神経診察から腫瘍の発生場所を推測することができますが、正確な評価にはMRIが必須となります。

無症状の場合

症状で(脳ドックなどで)見つかった髄膜腫に関しては、MRIなどを使用した画像評価なしに腫瘍を評価することは困難です。また今後の治療戦略を立てる上でもMRIが必要です。

確定診断について

私たち専門の医師が、“画像上”髄膜腫と判断しても、実際には髄膜腫とは異なる腫瘍であることがあります。手術摘出した組織をプレパラートにして、術後に顕微鏡を用いて(専門用語では"病理学的に"と言います)詳しく調べることで確定診断へと至ります。

治療方法

髄膜腫に効果的な薬物療法は存在しないため、基本的な治療法は手術摘出となります。
もちろん腫瘍が小さく脳の機能を障害していない場合は経過観察をおこないますが、腫瘍の発生した部位や増大速度を加味しながら、今後の機能障害を予測して手術をおこなうこともあります。

治療法 薬物療法は存在せず、基本的には手術摘出(場合により経過観察)
手術アプローチ 髄膜腫は、頭蓋骨内のどこにでも発生する可能性がありますが、その発生場所に合わせた合理的なアプローチ経路を利用して手術をおこなっています。難しいアプローチ経路が必要となることもありますが、我々はいずれの経路も熟知しておりますので、患者さま一人ひとりに適した治療を提供しております。
術創部 創部切開と剃毛を最小限に抑えた手術で、整容面にも意識した手術をおこなっております。
出血対策 髄膜腫は血液の豊富な腫瘍であるため、手術中の出血量を減らす目的に、腫瘍に入り込む血管をカテーテルを利用して詰めることもあります。腫瘍ごとに異なりますので、その都度患者さまと相談させていただいております。
入院期間 約1週間前後
監修者
亀田総合病院・亀田クリニック
脳神経外科 東本 杏一

【専門分野】
頭蓋底手術(髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫など)悪性脳腫瘍の集学的治療(神経膠腫、転移性脳腫瘍)微小血管減圧術(片側顔面痙攣、三叉神経痛)

東本医師の外来日
月曜午前 脳神経外科一般外来 / 水曜午後 脳腫瘍専門外来となります。

亀田クリニック 予約センター
04-7099-1111
※8:00~17:00(第3土曜・日曜・祝日を除く)
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