1.アミロイドPET/CTとは
アミロイドPET/CTは、アルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβプラークが、脳に蓄積されているかどうかを調べる検査です。アミロイドβプラークの沈着を画像化し、レカネマブ(レケンビ®)治療の適応を判断することができます。
1-a. 仕組み
アミロイドPET/CTでは、極微量の放射線を出す放射性同位元素(アイソトープ・18F)にフロルベタピルという成分を標識した(くっつけた)薬(フロルベタピル[18F]注射液)を静脈に注射して、病気の診断をします。
体の中に入ったフロルベタピル[18F]は、脳内のアミロイドβプラークに結合します。その様子をPET/CT装置で撮影します。
PET/CT装置は感度が高いため、投与する放射性医薬品はほんのわずかであっても、病気を診断する事が出来ます。
2.アミロイドPET/CTの実際
2-a. アミロイドPET/CTの画像の一部を紹介します。
2-b. 検査の流れ
2-c.放射性医薬品について
検査に用いる薬は"放射性医薬品"という人工的に作られた放射性同位元素(RI)を含んだ薬で、副作用はほとんどありません。体の中に入った薬からは放射線が出ますが、これは極微量で、PET-CTで画像に出来る最小限の量です。
核医学検査に用いる薬の放射線の量は時間とともに減少していくので、後々まで放射線が出ることはありません。
放射性医薬品による放射線被ばくを受けますが、投与後速やかに減衰・排泄されるため、身体への影響や障害が起こることはほとんどありません。また排泄物への混入も微量なため心配ありません。
3.アミロイドPET/CTを受ける方へ。
- 食事・飲み物・お薬の制限はありません。
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妊娠中・授乳中の方、閉所恐怖症の方は担当医師と相談してください。
授乳中の方は、注射後24時間は授乳を控えていただきます。 - 薬剤中に微量のアルコールを含みます(無水エタノール約0.5ml)。 アルコール過敏症の方は担当医師と相談してください。
4.アミロイドPET/CTにおける放射線被ばくについて
放射線は現代の医療に欠かせませんが、短期間のうちに大量に浴びると身体への影響も問題となることがあります。ただし、通常、必要な検査等をお受けいただく場合は放射線の影響を心配する必要はありません。
放射線検査における被ばく線量の最適化プロセスを推進するためのツールに、診断参考レベル(DRLs)があります。(国単位で報告されています)
当院ではこの日本の診断参考レベルを放射線検査の指標として用いています。
活用としては、DRLsの値より高い場合は、適正な線量の見直しをし、低い場合は画質と診断能の担保が出来ているかを確認し、検査の被ばく線量の最適化を行っています。
参考)日本の診断参考レベル(DRLs)と当院との比較
フロルベタピル[18F] DRLs 370MBq 当院 379.2MBq