かめだPOST 顎変形症)より良い睡眠のためには鼻呼吸が大切です

前回は、「イビキ」について、鼻イビキと舌イビキがあり、息を吸う時にイビキが発生しやすいことを説明しました。息を吐いている時にも起きるイビキは何らかの危険が潜んでいることをお知らせしました。今回はより良い睡眠をとるための良い睡眠呼吸についてお話しします。

実は、睡眠時の呼吸は、鼻呼吸が良いといわれています。皆さんは、「鼻の穴は小さいから、口を大きく開けて息を吸えば、大量の空気を取り入れられる」と思っていませんか? 確かにスポーツなど激しい運動時の回復呼吸には、大きく口を開けて呼吸することもありますが、口を大きく開けて息をすると気道はかえって狭くなることがわかっています。

一方、口を閉じて鼻で呼吸をすると、上気道は広くなります。鼻で呼吸することで“鼻イビキ”を発生する場所が広がるのです。これを体感できる方法として「Sniffing」があります。このSniffingとは匂いを嗅ぐことで、ヒトは匂いを嗅ぐとき自然と一番息が通りやすい姿勢を取ります。これは危険な匂いを判別するために、本能的に空気の通りやすい体勢をとるからです。試してみましょう! まず匂いを嗅いでみてください! そのままの姿勢で顎を引いて、もう一度、鼻で息をしてみてください。

どうでしょうか? 匂いを嗅ぐ姿勢の方が、息が入りやすいことが実感できると思います。このようにヒトは「sniffing」姿勢をとることで、鼻先が突き出て、鼻呼吸はより有効になります。これはより良い枕の高さを調整することにもつながります。まずは水平に寝て、「sniffing」姿勢を取ります。そこに枕の高さを合わせます。ここで大事なのは、できるだけ鼻を突き出すことではなくて、程よい高さに調節することです。過度に鼻を突き出す姿勢は肩こりの原因になるので要注意です。また、仰向けでなく横向きに寝ることも良いと思います。効果的に鼻呼吸をするためには口を閉じることが必要です。

このように、良い睡眠を得るためには、夜寝る前には、鼻をきれいにして、鼻で息がとおりやすいようにして、口を閉じて寝る習慣をつけることが大切です。朝起きた時に口の中がパリパリに乾いているのは口呼吸で寝ている、イビキがひどいサインかもしれません!

しかし、いくらより良い睡眠のためには鼻呼吸が大切といっても、根本的に鼻の病気やアレルギーなどで鼻が詰まっている、花粉症の時期などで鼻で呼吸できない場合などでは、鼻で息をしようとしても無理な場合があります。こんな時に無理に、「口を閉じて寝ましょう!」といっても、鼻でも口でも息ができないために、かえって苦しくなってしまいます。こんな場合は、鼻の病気をケアすることが大切です。鼻に関する事柄については、耳鼻咽喉科部長の越智篤先生より専門的に解説していただく予定です。こどもは鼻呼吸を中心に息をし、自然とsniffing姿勢を取ります。

監修者
歯科口腔外科顧問・顎変形症治療センターセンター長・歯科診療科顧問
外木 守雄

【専門分野】
咬み合わせの不具合を治す専門家です。特にあごが小さいことでいびきがひどい方、ご相談下さい。

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