亀田リハビリテーション病院は、亀田メディカルセンターの一部として2004年6月1日に開院しました。当院は、日本を代表するリハビリテーション施設として、最先端の治療と患者中心のケアを提供しています。
病院は亀田クリニックから約250m北東に位置し、回復期リハビリテーションに特化した病院です。56床の病棟には、16床の個室と10室の4床部屋を備え、患者さまが快適で安心して療養できる環境を整えています。
また、建物は世界的に著名な建築家・安藤忠雄氏が設計を手掛けており、広々とした個人空間と開放的な共有スペースが融合した独自のデザインが特徴です。
リハビリの場と生活の場が一体となる設計により、患者さまが心身ともに快適に過ごせる空間を提供しています。

医療の高度化と回復期リハビリテーションの重要性
医療の高度化が進む中で、急性期から回復期、生活期までシームレスにつながるリハビリテーション医療の重要性が高まっています。特に高齢化の進展や家庭介護力の低下により、患者さまが住み慣れた家庭に復帰するためには、質の高いチームワークと専門的な支援が必要です。
当院では、疾患管理、個別訓練、栄養管理、生活機能を高める看護とケアを統合し、患者さまの自立を支援します。また、地域医療や退院後の生活期リハビリテーションとの連携を強化しています。
専門性と充実したスタッフ体制
当院では、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士が一丸となり、多職種連携で患者さまの回復を支えています。VR機器を活用した最新技術やオーダーメイド治療を提供し、質の高いリハビリを実現しています。さらに、開院以来スタッフを増員し、体制を強化してきました。
定期的なカンファレンスや回診を通じて、患者さまの状態に適した治療方針を立案・共有しています。また、ADLの改善、転倒防止、栄養管理、感染予防など、生活の質を高める支援を徹底しています。
このように、急性期から回復期、退院後の生活支援まで、患者さまが安心して取り組める環境を整えています。


入院対象と治療内容
回復期リハビリテーション病棟では、脳血管障害、大腿骨骨折術後、肺炎後の体力低下など、日常生活機能が著しく低下した患者さまを対象にしています。入院期間は病状に応じて60日から180日が設定されており、患者さま一人ひとりに合わせたリハビリプログラムを提供しています。
一日のリハビリ時間は、日本の医療制度で認められる最大水準を提供しており、患者さまが短期間で機能回復を目指せる環境を整えています。また、患者さまが地域で自立した生活を送れるよう、福祉サービスの利用や住宅改修の相談など、退院後の生活支援にも力を入れています。
日常生活に溶け込むリハビリ
当院では、リハビリが特定の時間や空間に限定されるのではなく、患者さまの日常生活の一部として実施されます。セラピストが患者さまの病室やベッドサイドで歩行練習や車椅子移動をサポートし、日々の生活動作を通じて社会復帰を目指します。また、食堂での食事を通じたコミュニケーションや嚥下訓練を実施し、言語障害や摂食嚥下障害を持つ患者さまへのリハビリも行っています。

高い在宅復帰率と実績
亀田リハビリテーション病院では、平均90%の患者さまがご自宅に復帰されており、この実績は全国水準を上回るものです。多職種がチームとなり、患者さまとご家族を支援することで、機能回復と障害受容を促進しています。また、退院前訪問指導による在宅療養環境の整備により、退院後の安心した生活をサポートしています。
品質管理と教育体制
当院は、ISO9001およびJCI(Joint Commission International)の認証を受けた日本初の回復期リハビリテーション病院として、品質改善に取り組んできました。診療プロセスの標準化と職員教育を通じて、高い診療アウトカムを維持しています。また、2024年6月には、開院20周年の節目として『亀田式回復期リハビリテーション』をメジカルビュー社から発刊しました。本書は、亀田リハビリテーション病院の診療プロセスや臨床現場の事例に基づき、回復期リハビリテーション病棟におけるセラピストの業務手順やADL向上を意識した疾患別のポイントを解説しています。また、若手スタッフの教育にも重点を置き、臨床現場での具体的な経験を通じて、実践力を高める体系的な人材育成に取り組んでいます。

今後の展望
亀田リハビリテーション病院は、地域医療と連携し、さらなるサービス向上を目指しています。特に、地域包括ケアシステムの中核として、患者さま一人ひとりのニーズに応じたケアを提供し続けます。また、新しいリハビリ技術を導入し、効果的かつ効率的な治療を追求します。亀田リハビリテーション病院は、患者さまの生活の質を向上させるために、常に進化を続ける病院です。
掲載:2017/08/24
修正:2025/1/21
