寒さ厳しいこの季節。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、家にこもる日が増え、運動不足を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回はご高齢の方でも無理なく自宅でできる下半身の筋力トレーニング法をご紹介します。こたつに入って1日テレビの前で過ごす時間が多いという方は、ぜひ取り組んでみてください。
サルコペニアをご存知ですか?
サルコペニア(筋肉減少症)は、加齢などによる筋肉量の減少および筋力が低下した状態をいいます。
ヒトの筋肉量は30歳代から年間1~2%ずつ減少します。そのため、何もせずにいると20歳と70歳の時とでは1/3~半分まで筋肉量が減少してしまいま す。立ったり、歩いたり、姿勢を維持するなど日常動作の基盤となる抗重力筋で筋肉の減少が多くみられるため、立ち上がりや歩行がだんだん億劫になり、放置 すると歩行困難になってしまうなど、高齢者の活動能力の低下の大きな原因になっています。
サルコペニアの診断
筋肉量の減少・筋力(主に握力)の低 下・歩行速度の低下で診断します。以前よりも「転びやすくなった」「重いものを持ち上げられなくなった」「手すりをつかまないと階段を登れない」などの症 状があればサルコペニアが疑われます。ご自宅で簡易的に診断するなら、「指輪っかテスト」を試してみましょう。
指輪っかテスト

親指と人差し指で輪っかをつくり、ふくらはぎの一番太い部分にはめてみます。すき間ができる場合はサルコペニアが疑われます。
サルコペニアを予防する運動
上半身に比べ下半身の筋肉が落ちやすいため、今回は下半身の筋力トレーニング法を2つご紹介します。適度な運動で、筋肉量や筋肉の減少を予防しましょう。
1)太ももやおしりの筋肉をきたえる運動
肩幅より少し広めに足を広げて立ち、椅子などを支えにしながら、3秒かけてゆっくりおしりを後ろに引くように身体を沈め、1秒で戻ります。10回を1セットとし、毎日3セットを目標に取り組みましょう。

【ポイント】身体を沈めた時に膝が痛くなるようならばフォームが正しくありません。膝がつま先よりも前にでていないか、猫背になっていないか確認しましょう。
悪い例

2)太ももの筋肉をきたえる運動
※膝に痛みのある方はこちらの運動がオススメです
上体を手で支えながら床に軽く足を開いて座り、片足ずつ上げ下ろし運動を行います。足を床につけないよう片足20回ずつ、毎日取り組みましょう。

【ポイント】足首は伸ばさず、しっかり曲げて足先が天井を向くようにして取り組みましょう。