かめだPOST 生殖医療)精子と卵子のおはなし

初めまして、培養士の平岡と申します。
生殖医療科では、医師・看護師・カウンセラー・培養士がチーム一丸となって不妊治療を行っております。
培養士はこの不妊治療において精子と卵子をお世話する仕事をしています。精子と卵子は赤ちゃんを授かるために必要な生殖細胞です。

精子とは?

精子は男性の体の中で作られていて、男性の遺伝情報を持っています。精子は頭部と尾部から出来ていて、頭部の中に男性の遺伝情報が入っています。全長は約60μmです。人間の髪の毛の直径が約60μmなので、髪の毛一本分位の大きさです。

卵子とは?

卵子は女性の体の中で作られていて、女性の遺伝情報を持っています。卵子そのものは小さな球体で、その卵子の周りをゼリー状の透明帯という物質に被われています。卵子の直径は約160μmです。人間の髪の毛の直径が約60μmなので、髪の毛三本分を束ねた位の大きさです。

受精とは?

赤ちゃんを授かるためには精子と卵子が出会わなければなりません。精子と卵子が出会うことを受精と言います。受精は1個の精子が卵子の中に入ることで起こります。

受精卵の成長

1個の精子が卵子の中に入ると、卵子は受精卵となります。受精卵の時期は男性の遺伝情報が詰まった袋と女性の遺伝情報が詰まった袋、合計2個の袋が受精卵の中に見えます(受精卵)。その後、男性と女性の遺伝情報の袋が融合して赤ちゃんの遺伝情報が形成されます。卵子は受精すると細胞分裂を始めます。始めは1個のボールですが、一回目の細胞分裂が起こると、1個のボールから半分の大きさの2個のボール(2細胞)となります。二回目の細胞分裂が起こると2個のボールから半分の大きさの4個のボール(4細胞)となります。同様に三回目の細胞分裂で8個のボール(8細胞)となります。このまま16細胞、32細胞、64細胞と増えていくように思われますが、受精卵は8~16細胞辺りで細胞同士が溶け合って融合して、あたかも元の1細胞であるかのように形を変えます(桑実胚)。桑実胚は縮んだ水風船のような状態で、受精卵は周りの水を中に取り込んで風船のように大きく膨らんでいきます(胚盤胞)。

赤ちゃんが誕生するために必要な生殖細胞、精子と卵子が受精して出来た受精卵は本当に美しくて神秘的です。この原稿を通して少しでもこれが伝われば嬉しいです。

生殖医療科のご案内 亀田IVFクリニック幕張

亀田総合病院 臨床検査管理部 平岡謙一郎

監修者
亀田IVFクリニック幕張 亀田総合病院/
院長/生殖医療事業管理部 部長 川井 清考

【専門分野】
不妊生殖、産婦人科、がん・生殖

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