前回は、筋力が低い方も安全にできる“簡単ごろ寝筋トレ”をご紹介しました。今回は、前回よりも運動強度を上げたレベルアップバージョンをご紹介します!
まず、片脚で40㎝の高さ(一般的な椅子)から立ち上がれるかをチェックしてみましょう。片脚で痛みなく立ち上がることができた方は、今回ご紹介する荷重をかけた状態の運動を安全に行うことができます。(詳しくは第1回を参照)また、片脚で立ち上がることができた方の筋力を向上させるためには、荷重をかけた状態の運動が必要となります。そのための運動として、最も手軽で行いやすい運動は、多くの方がご存知の筋トレであるスクワットです!一口にスクワットといっても、実際は数十種類あります。そこで、今回はその中から安全に下肢全体を万遍なく鍛えることができる2種類をご紹介します。ただし、スクワットは間違った方法で行うと筋肉を鍛えるつもりが、関節を痛めてしまう恐れがあります。3つのポイントを押さえて取り組んでくださいね。
さらに、筋トレだけではなく、全身運動の代表であるウォーキングも行ってみましょう!ウォーキングは、有酸素性運動と呼ばれ生活習慣病の予防や改善に効果を発揮します。有酸素性運動には、水中運動や自転車漕ぎ、ジョギングなども含まれます。片脚40㎝ができなかった方は、ウォーキングよりも水中運動や自転車漕ぎがおすすめです。また、片脚30㎝(ベンチくらい)ができる方は、ジョギングにも耐えられる筋力があるといえます。
ウォーキングは、だらだら歩いてはまったく意味がありません。ウォーキングの効果をUPさせるためには、次の2つのポイントを押さえましょう。
1つ目は強度(強さ)、2つ目はフォームです。まず、1つ目の強度を確認するには、脈拍を使用します。しかし、脈拍は慣れないと計測が難しく、体調によって変化します。そこで、自覚的運動強度として「ややきつい」と感じる強度でウォーキングを行いましょう。「ややきつい」は別名「ニコニコペース」と呼ばれ、じわっ~と汗が出てきて、会話はできるが、歌を歌うと息が上がり歌えない強度を示します。つまり、会話もできないようだと「きつい」といえ、歌を歌えるようだと「楽(らく)」といえます。この「ややきつい」が“ミソ”なのです。
2つ目のポイントはフォームです。「ややきつい」強度で歩くためには、正しいフォームが必要です。正しいフォームは、楽に歩幅を広げることができるので、強度をコントロールすることができます。反対に正しくないフォームは、体のどこかに無理をかけて強度を上げようとしてしまい、ふくらはぎがパンパンにはってしまうなどの弊害がでてきます。図のポイントを参考に、効果的なウォーキングにチャレンジしてみてください!
スクワットの3つのポイント!!
- 膝とつま先は同じ向きにする。(やや外向き)
- つま先よりも膝を前に出さない。(股関節を後ろに引くように)
- 背中を丸めない。(お腹に力を入れる)
レギュラースクワット

ワイドスクワット

ウォーキングのポイント
背筋 | 見えない紐で引っ張られるようにシャキッと |
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目 | ○10mくらい先を見る ×足元を見る |
肩 | ○胸を開いて美しく ×猫背でトボトボ |
肘 | ○軽く曲げて軽やかにふる ×ほとんどふらない |
お腹 | ○しっかり腹圧を保つ ×腹圧ゼロでフニャフニャ |
股関節 | ○しっかり蹴りだす ×小股 |
膝 | ○前脚の設置時はしっかり伸ばして ×前脚をまげたまま接地 |
足 | ○踵から接地ししっかり蹴りだす ×バタバタと地面をすって歩く |


亀田スポーツ医科学センター 健康運動指導士 宮本瑠美