腎臓高血圧内科の長岡可楠子と申します。今回は高血圧についてお話をさせていただきたいと思います。
「高血圧」の診断基準
まずは皆様、どれぐらいの血圧が高血圧の診断となるかご存知でしょうか? 日本では、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を「高血圧」と診断します(家庭血圧値では135/85mmHg以上を高血圧とします)。腎臓のためには130/80mmHg未満がよいとされ、アメリカではすでに130/80mmHg以上を高血圧と定義しています。
なぜ高血圧だといけないのか
簡単に言うと、心筋梗塞などの心臓病や、脳卒中などのリスクになるためです。
高血圧はサイレント・キラーと呼ばれるように、自覚症状がありません。そのために、現在、日本に約4,000万人(国民の3人に1人)と推定されている高血圧患者のうち、実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人といわれています。
高血圧の原因
高血圧の原因として高齢、塩分過多、肥満などが一般的ですが、実は、副腎という臓器の異常が原因だった場合、手術で治せることがあります。適切な治療法を選択するためにも、原因検索はとても大切です。
また、時には、妊娠が高血圧の原因になってしまうこともあります。
妊娠中に血圧が上がってしまうことを妊娠高血圧症候群といいますが、そのような方は5年後に高血圧症になる可能性が高いことがわかっています。また、妊娠高血圧症候群になった方の中には、60〜70歳で透析が必要になってしまう方がいます。腎臓の機能低下を防ぐためには健康診断で早期診断を行い、早期治療を行うことが必要になりますので、知識を持つことは非常に大切です。当院ではそのような患者さまへの治療も行っています。
治療
基本的には125/75mmHg以下を目指して血圧を下げる治療を行います。ただ、年齢や基礎疾患によって基準値が変わってきますので、注意が必要です。
今は良いお薬がたくさんあります。気になった方はぜひ一度ご相談にいらしてください。
また最近は、国から薬事承認されている高血圧診療をサポートするアプリ(CureApp HT 高血圧治療補助アプリ®)も登場しました。降圧剤の使用だけに頼るのではなく、生活習慣の修正も支援する内容で、保険診療内で6ヶ月間受けられるサービスとなっています。当院ではまだ導入できていませんが、今後導入することを検討しています。
このお便りを読んで「ちょっと病院にかかってみようかな」と思った方は、ぜひ腎臓高血圧内科の扉を叩いてください。少しでも皆様のお力になれればと思います。

