かめだPOST タバコと肥満の関係

喫煙者は肥満が多い(特に女性)!?

厚生省の統計資料によると、煙者の肥満は非喫煙者より多いという結果が出ています。喫煙者は、喫煙本数が多くなるにつれて、男女とも肥満が増加し、女性では男性よりも2倍以上の肥満が見られています。このことから、厚生省では「痩せるために喫煙する、タバコを止めたら太るという説には根拠はなく、逆に喫煙者は健康意識が低く、栄養の過剰摂取、運動不足の影響で太る人が多い」としています。

肥満の子供の親に喫煙者が多い!?

親の健康意識の低さは、その子供の体型にも影響するようです。
ある調査で、肥満児の父母は、非肥満児の父母よりも高い喫煙率を示していました。そこで、健康に関するテストをしたところ、喫煙習慣のある父母の正解率は悪く、ここでも健康に対する関心の低さが、肥満に影響することがわかります。

タバコによる肥満への影響

喫煙は、男性ホルモンを刺激し、女性ホルモンの働きを弱めるため、女性でも男性型の内臓脂肪型肥満になります。こうした内臓脂肪による肥満は、女性型の皮下脂肪型肥満と違い、多くのがんや心臓の病気などの原因となります。同時に、血液中の中性脂肪量が増加し、動脈硬化や脳梗塞といった生活習慣病を悪化させます。

冠動脈疾患のリスク

喫煙は、冠動脈に及ぼす影響が大変高く、体の脂肪を例にすると160cmの男性では40kg、女性では51kgの脂肪が付いた状態と同じで、狭心症・心筋梗塞などを発症する危険性を高くしているのです。
そう考えれば、禁煙して3kg、場合によっては10kg体重が増えたとしても、喫煙に比べれば小さなことだと言えますね。

体重増加が気になる方の注意点

1.食事摂取量

禁煙すると、味覚が良くなり、食べ物の味がわかるようになります。何を食べても美味しく、たくさん食べるようになり、食事量が増えることがあります。また、胃腸の働きも正常になり、食欲が旺盛になるので、つい食べ過ぎます。

2.間食

禁煙に対して消極的な態度や、口寂しさ、自分を憐れむ気持ち、不安感などがあると、喫煙のかわりに、いつも何かを食べて気持ちを満たそうとします。

3.「体重増加は禁煙のせいではない」ことを理解する

禁煙後の2~3kg以上の体重増加は、エネルギーの多い食物を食べ過ぎていること、運動不足で食べたエネルギーが十分に使われていないことが大きな原因です。食事量・アルコール・間食に気を付け、体重増加をなるべく抑え、気になる方は禁煙が落ち着いた3ヶ月後から、ダイエットを考えましょう。
禁煙して多少体重が増えたり、お腹が空くのは体が健康な証拠です!(喫煙できることが健康な証拠ではないですよ!)タバコで体重が減ると思い込み、喫煙でイライラ、肌はカサカサ、内臓ボロボロ、骨はスカスカより、喫煙しないほうが、ずっときれいになるし、健康的なのです。

健康管理支援室

「禁煙支援外来」のご案内
監修者
亀田総合病院
呼吸器内科 主任部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器内科

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