かめだPOST 呼吸器外)タバコによる肺機能低下

1. 肺がん発生の頻度

タバコにより肺は破壊されていき、肺気腫という病気になります。[図1]は1日20本を15年間吸っている人の肺のCTですが、所々に黒く抜けています。タバコにより肺が破壊され始めているところです。[図2]は1日30本を40年間吸っている人の肺のCTですが、かなりの広範囲で肺が黒く抜けており、肺の破壊がかなり進んでいます。これを実際の組織で見たものが[図3]です。肺に大きな穴が空いているのが見えます。

2. タバコによる肺機能低下

その結果、肺の機能が低下します。[図4]はタバコを吸わない人と吸う人の年齢ごとの肺機能の変化を示したものです。生涯タバコを吸わない人も呼吸機能は次第に低下していきます。しかし、呼吸困難を起こすほど重度に低下していきません。タバコの影響を受けやすい人が喫煙すると、呼吸機能は急速に低下し、ある段階から呼吸困難を感じ始めます。それでも喫煙を継続すると数年で死亡します。途中で禁煙すると、タバコを吸わない場合と同じように呼吸機能の低下はゆっくりになります。

3. 禁煙による肺機能悪化の予防

肺気腫になってから禁煙しても、効果はあります。[図5]は肺気腫と診断されてから禁煙した人と喫煙を続けた人の肺機能の変化を示しています。肺気腫と診断されてから、喫煙し続けた場合と、禁煙した場合では、数年後には呼吸機能に大きな差がでてきます。肺気腫と診断されてからでも禁煙の効果があることが判ります。

文責:呼吸器外科 杉村 裕志
2019/7/5 更新

呼吸器外科 診療内容
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呼吸器外科 部長 杉村 裕志

【専門分野】
呼吸器外科、内視鏡手術

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