初めまして。レシピエント移植コーディネーターの髙梨です。今回は私がどのような仕事をしているのかご紹介したいと思います。
治療方法の選択
腎臓は「沈黙の臓器」と言われるように、早期の腎臓病では自覚症状がほとんどありません。先生から「腎臓が悪い」と言われても「?」といった感じでしょう。
腎臓の働きが徐々に悪くなると、その働きを補う治療が必要になります。腎臓高血圧内科の先生から「そろそろ透析の準備をしないとね」と話があった時、「もう人生の終わりだ」「透析やるくらいなら死んでもいい」など、人生の終末だと悲観する患者さまが多くいます。私は透析センターでも勤務していますから、そんな声も聞いたりします。大切なのは「治療のために生きるのではなく、生きるために治療する」ことだと思います。
「透析(血液透析・腹膜透析)以外に何か治療方法はないの?」と考える方もいるでしょう。もう一つの腎代替療法が腎移植です。移植医療は言うなればエンジンの取り換えです。移植を受けた患者さまによると、移植前は身体が重くてエンジン音に例えると「ブル、ブル、ブルルルル」だったのが、移植後は体が軽く楽になり、「プルルルルゥ~」になったそうです。ここからは腎移植の一連の流れと、そこに携わる移植コーディネーターの仕事をご紹介します。

レシピエント移植コーディネーターの仕事
移植コーディネーターには、脳死患者さま(ドナー)とそのご家族のケアをする「ドナー移植コーディネーター」と、移植病院で移植を待つ患者さま(レシピエント)のケアをする「レシピエント移植コーディネーター」があります。私が務めるレシピエント移植コーディネーターの仕事は以下にまとめたとおりです。
レシピエント移植コーディネーターの仕事 | |
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移植前 |
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移植手術周術期 |
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回復期 |
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移植後長期 フォローアップ期 |
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生体腎移植を希望される場合は、ドナー候補者と一緒に面談を行い、当院での一連の流れや費用等の説明を行います。その後、腎移植科の外来の予約をします。また献腎移植を希望される場合は登録施設への受診方法の説明を行います。移植後の外来でもコーディネーターが面談を実施し、主に移植腎機能の管理、生活指導、精神的な支えの3点に重点を置き、さまざまなフォローを行います。移植はチーム医療です。多くのスタッフが治療に関わるので、その調整役も行います。
移植腎機能の管理 | 生活指導 | 精神的なサポート |
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知る権利
患者さまには「知る」権利があります。末期の腎不全で治療選択の時期になったときや、まだその段階ではなくても腎移植についてお知りになりたい方は、遠慮なくレシピエント移植コーディネーターまでお問い合せください。
〔お問い合せ先〕 | 亀田総合病院 TEL.04-7092-2211 「移植のはなしを聞きたいので、コーディネーターへつないでほしい」と言ってください。 |
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第9話では、腎移植にかかる費用についてお話します。
腎移植科のご案内
https://medical.kameda.com/general/medi_services/index_189.html亀田総合病院 腎移植科・透析センター 髙梨 弥生
