かめだPOST FDG-PET/CT検査

動画でご紹介 FDG-PET/CT検査を受ける方へ

PET-CT検査の注意事項と事前準備

PET-CT当日の流れ

1. FDG-PET/CT検査とは

1-a. 仕組み

FDG-PET/CTでは、極微量の放射線を出す放射性同位元素(アイソトープ・18F)にFDG(フルオロデオキシグルコース・ブドウ糖類似化合物)を標識した(くっつけた)薬(放射性医薬品・18F-FDG)を静脈に注射して、病気の診断をします。
体の中に入った放射性医薬品は、ブドウ糖代謝の活発な臓器、腫瘍や炎症部位に集まり、体の中から出てくるγ線を特殊な撮影装置(PET/CT装置)でとらえて、放射性医薬品の分布を写真にします。
また、同時にCTを撮影し重ね合わせをすることにより、位置関係も把握しやすくなります。

PET/CT装置は感度が高いため、投与する放射性医薬品はほんのわずかであっても、病気を診断する事が出来ます。

1-b. FDG-PET/CTの優れている点

  • 1cm程度の小さな腫瘍の診断が可能。
  • 1度でほぼ全身を撮影するので、予期せぬところに発生した腫瘍の発見も可能。
  • 腫瘍の良性、悪性の判定、進行度の診断が可能。
  • CTを同時に撮影することにより、位置関係が明瞭となり診断の精度が上がりました。
  • 痛みや不快感の少ない、優しく安全な検査です。副作用もほとんどありません。

1-c. FDG-PET/CTの弱い点

  • 1cm以下の腫瘍は検出できないことがあります。
  • 炎症などの腫瘍以外の病気にも集積するので、腫瘍かどうかの判断が難しい場合があります。
  • PETでは診断が難しい、あるいはその有用性が低い癌が知られています。胃がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、肝細胞がん、胆道がん、白血病などこれらのがんは、原発巣の診断には不適とされていますが、遠隔転移や再発診断には有効な場合があります。適応には医師の判断が必要になります。
  • 糖代謝が亢進している部位にFDGがより取り込まれる傾向を利用した検査のため、血糖値の高い方は正しい検査結果を得ることが出来ません。
  • 運動により使った筋肉に薬が取り込まれてしまいます。正しい検査結果が得られない場合もあります。

2. FDG-PET/CT検査の実際

2-a. FDG-PET/CTの画像の一部を紹介します

1.軸位断画像、冠状断画像

いろいろな断層像を作成することにより、診断の精度を高めていきます。

軸位断画像
冠状断画像

2. 脳撮影

糖の取り込みが非常に多い脳を別に画像化する事も出来ます。
脳梗塞は取り込まれず、梗塞した所だけ抜けたように写ります。
脳腫瘍は状態によりいろいろな見え方があります。

3. MIP画像

3次元的な加算像を作成し、色々な角度から見ることにより、診断の精度を高めていきます。

2-b. 生理的集積

1. 正常例

病変が何もなくても身体の代謝により集積する臓器があります。下図に例を挙げます。他に尿管や眼球の筋肉なども描出されます。

2. 事前準備がうまくいかなかった例

食事制限や運動制限がうまくいかないと下図のようになり、病変が見つけにくくなります。

2-c. 検査の流れ

受付をしてからPET-CTセンターを出るまで約2時間半程かかります。
その間下図のように進めていきます。

2-b. 放射性医薬品について

検査に用いる薬は"放射性医薬品"という人工的に作られた放射性同位元素(RI)を含んだ薬で、副作用はほとんどありません。体の中に入った薬からは放射線が出ますが、これは極微量で、PET/CTで画像に出来る最小限の量です。
核医学検査に用いる薬の放射線の量は時間とともに減少していくので、後々まで放射線が出ることはありません。
放射性医薬品による放射線被ばくを受けますが、投与後速やかに減衰・排泄されるため、身体への影響や障害が起こることはほとんどありません。また排泄物への混入も微量なため心配ありません。

3. FDG-PET/CTを受ける方へのお願い

3-a. FDG-PET/CTを受けるに当たっての制限事項があります

1. 食事制限

予約時間前最低5時間は食事を摂らないでください。
アメ、ガム等糖分が入った食べ物も摂らないでください。
飲み物に関しては、ミネラルウォーターやお茶など糖分の入っていない飲み物であれば飲んでも構いません。
前日の飲酒は控えてください。

2. 運動制限

前日から当日の検査終了まで、過度に筋肉を使うような運動や仕事はできるだけ控えてください。
当日は重いものを持ったり、長時間歩いたり、長時間の会話はできるだけ控えてください。

3-b. 女性の方へ

妊娠中や授乳中の方は申し出てください。

4. FDG-PET/CT検査における放射線被ばくについて

放射線は現代の医療に欠かせませんが、短期間のうちに大量に浴びると身体への影響も問題となることがあります。ただし、通常、必要な検査等をお受けいただく場合は放射線の影響を心配する必要はありません。
放射線検査における被ばく線量の最適化プロセスを推進するためのツールに、診断参考レベル(DRLs)があります。(国単位で報告されています)
当院ではこの日本の診断参考レベルを放射線検査の指標として用いています。
活用としては、DRLsの値より高い場合は、適正な線量の見直しをし、低い場合は画質と診断能の担保が出来ているかを確認し、検査の被ばく線量の最適化を行っています。
参考)日本の診断参考レベル(DRLs)と当院との比較
18F-FDG  DRLs 240MBq 当院 197.45MBq

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