検査の目的
胃内視鏡検査は、大人の小指ほど太さのスコープを口から挿入して、食道、胃、十二指腸を観察します。先端に内蔵されているCCD(ビデオカメラ)で、画像をモニタで観察し、同時に写真を撮ります。
一般に普及している検査ですから、安心して受診してください。ただ、検査の間(10分程度)は、つねに喉にものがはさまった感じがあります。
また、体に害のない安全な色素を散布し、詳しく観察することもあります。必要に応じ、胃の粘膜の一部を採取し(生検)、組織検査をする場合もあります。
これらを総合して病気の診断をします。結果は、基本的にその場でわかります。
ただ、組織検査を行った場合などは、結果がでるまで2週間程度かかります。
鎮静剤・鎮痛剤の使用について
内視鏡検査の苦痛を軽減する目的で、検査前に鎮静薬(眠くなったり、気分を楽にするお薬)の静脈内注射を実施しています。患者さまのご希望を確認したうえ、医師の判断で、鎮静剤の注射を行います。
- 鎮静剤・鎮痛剤は注射の影響がしばらく残るため、使用した場合は1日(24時間)お車の運転はしないでください。(ご自身が運転されするお車で来院される場合には鎮静剤・鎮痛剤は使用できません。)
鎮静剤・鎮痛剤を使用しない場合
咽麻酔のみで検査を行います。終了後は受付より案内がありましたら退室となります。
鎮静剤・鎮痛剤を使用する場合
ラインを確保し、鎮静剤・鎮痛剤、咽麻酔をして検査を行います。検査後は待合室でしばらく休憩していただきます。(ベッドやリクライニングチェアーを備えていますので、十分お休み頂けます。)
状態を観察し、ライン抜去し退室となります。
回復室(リカバリー室)のリクライニングチェアーやベッド
鎮静剤使用時の効果と注意点
効果 |
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注意点 |
交通手段について鎮痙剤による視力調整機能麻痺や、鎮静剤使用での半眠状態の持続など、注射による運転への障害が発生します。安全のため当日は運転での来院は避けていただいております。 |
検査の手順
- 検査に関する問診票にお答えいただきます。内容は、胃内視鏡検査の経験の有無、また、受けたことがある場合はその時の様子、現在かかっている病気、ふだん飲んでいるくすり、薬剤アレルギーの経験等です。
- 胃のなかをきれいにするくすりを飲んでいただきます。(ジメチコン)
- 入れ歯、コルセット、お腹を絞めている腹巻、ガードルなどをお取りください。また、女性の方は、口紅をふき取ってお待ちください。
- 胃の動きを抑えるくすりを注射します。(ブチルスコポラミン)ご希望があれば検査を楽に受けていただくためのくすりも一緒に注射します。(ミダゾラム・ペチジン)
- のど(咽頭)に麻酔のくすりをスプレーし、指示に従い飲み込みます。少し苦いですが、ガマンして飲んでいただきます。(キシロカインスプレー)以前、わたしたちの施設でも使用していた、のどに含み貯めておく、ゼリー状のくすりよりだいぶ楽になっています。
- 胃内視鏡は大人の小指ほど太さのスコープ:直径8~11mmくらいの細長い管状のものを口から挿入します。スコープは無理に飲み込もうとしなくても、自然に、抵抗無く入っていきます。何も感じない検査ではありませんが、決して痛くありません。呼吸も自然にできる、一般的な検査です。医師、スタッフの指示に従い、全身の力を抜いて、ゆったりした気持ちで受けてください。
通常、検査は10分程度で終わります。必要に応じ、胃の粘膜の一部を採取し(生検)、組織検査をする場合もあります。このときは、多少時間がかかります。
胃内視鏡を飲むコツ
何も感じない検査ではありませんが、決して痛みを伴う検査ではありません。小さなお子さんでも出来るごく一般的な検査です。
姿勢
肩や首の力を抜いて、リラックスした姿勢で。
嘔吐反射
スコープがのどを越えるとき、ゲッと軽く吐くような感じ(嘔吐反射)が起こりやすく、この検査で最もつらい瞬間です。
ここを過ぎてしまえば、あとはそれ程つらくはありません。
スコープの挿入
のどに力を入れて、無理に飲もうとすると、のどが締まってかえって挿入し難くなります。スコープは無理に飲み込もうとしなくても、自然に、抵抗無く入っていきます。
呼吸
スコープが入っている間も、呼吸は普通にできます。鼻から吸って、口から吐く、腹式呼吸でゆっくりと。
唾液
貯まった唾液を飲み込むと、咳き込みます。口のなかの唾液は、マウスピースの先端から自動的に吸い出すようになっています。
検査に使用する薬の副作用
胃内視鏡検査で使用するお薬は以下のとおりです。
現在かかっている病気によっては使用できないこともあります。該当する方、薬剤アレルギーの経験のある方はお申し出ください。
お薬 | 使用できない病気と副作用 |
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ガスコンドロップ | 特になし |
キシロカインスプレー | 局所麻酔剤過敏歴(歯科の麻酔などでトラブルがあった方) |
ブチルスコポラミン | 心疾患、緑内障、前立腺肥大 |
グルカゴン | (ブチルスコポラミンが使用できないとき) 糖尿病 |
ミダゾラム | 緑内障、呼吸抑制 |
ペチジン | 呼吸抑制 |
検査に使用する薬の副作用
お食事
検査のあと1時間くらいは、のどに麻酔が効いています。1時間くらいたち、水を少量飲んでみて、むせないことを確かめてから食事をしてください。
お車の運転
検査前に使用した注射の影響がしばらく残ります。1時間ほどクリニック内で静養してからお帰りください。鎮静剤の静脈注射をした方は、1日(24時間)お車の運転はしないでください。
組織をとった方(生検した方)
まれに組織をつまんだ部位から出血することがあります。検査当日は激しい運動をせず、安静にしてください。飲酒や熱いお湯での入浴は、出血の原因となります。当日は禁酒とし、シャワー浴程度にとどめてください。食事は、検査後2時間くらいして、「おかゆ」や「うどん」のような消化のよいものをお摂りください。翌日からは、いつも通りで構いません。
鎮痙剤・鎮静剤使用時のお願い
- 鎮静剤は使用しておりませんが、鎮痙剤(胃腸の動きを抑える薬)や空腹などにより、眠気やめまい、目の焦点が合わないなどの症状が出ることがありますので、安静時間をとり症状を確認して下さい(通常1~2 時間程度)。症状がある間は運転や危険を伴う作業はお控え下さい。
- 鎮静剤を使用しております。体調の確認を行い内視鏡室からの退室が可能と判断しましたが、この後も鎮静剤の影響により吐き気やふらつきが出る可能性があります。安全の為、安静時間をとり体調が安定してからご帰宅下さい。また、運転は翌朝まで禁止とさせていただきます。