注目論文:線維化性間質性肺疾患におけるHIITと標準的持続運動療法

呼吸器内科
線維化性間質性肺疾患では呼吸リハビリテーションが推奨されていますが、すべての患者で臨床的に意味のある改善が得られるわけではありません。本RCTでは、fILD 131例を8週間・週2回の呼吸リハビリテーションにおける高強度インターバルトレーニング(HIIT)と中等度強度持続トレーニング(MICT)に無作為化しました。両群で自転車耐久時間は臨床的に重要な改善を示しましたが、群間差はなく、6分間歩行距離やその他の副次評価項目にも差は認められませんでした。有害事象は両群ともなく、HIITはMICTを上回らないものの、安全で実行可能な代替運動法と考えられます。

High intensity interval training in interstitial lung disease: a randomized controlled trial.
間質性肺疾患における高強度インターバルトレーニング:無作為化比較試験
Dowman L, May AK, Hill CJ, Bondarenko J, Spencer L, Morris NR, Alison JA, Walsh JR, Khor YH, Goh NSL, Corte TJ, Glaspole I, Chambers DC, McDonald CF, Holland AE.
Am J Respir Crit Care Med, 2026.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42720586/
背景:
呼吸リハビリテーションは、間質性肺疾患患者に対する有効でガイドライン推奨の介入です。しかし、すべての参加者で臨床的に意味のある改善が得られるわけではなく、現在の呼吸リハビリテーションにおける運動トレーニング法が、間質性肺疾患患者にとって最適とは限りません。本研究では、線維化性間質性肺疾患において、高強度インターバルトレーニング(HIIT)と標準的な中等度強度持続トレーニング(MICT)の効果を比較しました。

研究デザイン:
線維化性間質性肺疾患患者131例を、運動時の酸素飽和度低下(SpO2<90%または≧90%)で層別化したうえで、HIIT群またはMICT群に無作為化しました。両群とも標準的な8週間、週2回の呼吸リハビリテーションプログラムを実施しました。主要アウトカムは自転車運動の耐久時間で、6分間歩行距離、症状、健康関連QOL、骨格筋の変化、身体活動量も評価しました。評価はベースライン、呼吸リハビリテーション直後、6か月時点に行い、線形混合モデルを用いてintention-to-treat解析で群間比較しました。

結果:
HIIT群、MICT群ともに、呼吸リハビリテーション後に自転車運動の耐久時間について臨床的に重要な改善が認められましたが、群間差はありませんでした(MD −63秒、95%CI −195~68秒)。6分間歩行距離についても同様で、群間差は認められませんでした(MD 4m、95%C1 −20~28m)。その他すべての副次評価項目についても、HIIT群とMICT群の間に差はありませんでした。両群とも有害事象はありませんでした。また、呼吸リハビリテーションを完遂した参加者、規定された運動強度、運動時間、運動負荷の進行を達成した参加者の割合は、両群で同程度でした。

結論:
線維化性間質性肺疾患患者において、HIITはMICTより大きな運動耐久能の改善をもたらしませんでした。一方、HIITは安全で忍容性も良好であり、線維化性間質性肺疾患患者におけるMICTの代替運動法となる可能性があります。