注目論文:末梢肺結節に対するshape-sensingロボット支援気管支鏡―PRECIsE研究

呼吸器内科
小型末梢肺結節に対するshape-sensing robotic-assisted bronchoscopy(ssRAB)は、どの程度の診断性能と安全性を示すのでしょうか。PRECIsE研究は、cone-beam CTを併用しない初期世代ssRABを6施設で前向きに評価し、305手技を2年間追跡しました。悪性腫瘍に対する感度は81.3%、ATS/ACCP基準による診断率は74.1%でした。介入を要する気胸は1.6%、出血は1.0%でした。新規導入ユーザーを含む多施設データとして、小型末梢肺結節に対するssRABの診断性能と安全性を示した研究です。

The PRECIsE study: a prospective, multicenter study of shape-sensing robotic-assisted bronchoscopy with 2 years of follow-up.
PRECIsE研究:shape-sensingロボット支援気管支鏡を2年間追跡した前向き多施設研究
Ost DE, Folch EE, Reisenauer JS, Majid A, Casal RF, Keyes C, Parikh MS, Diaz-Mendoza J, Fernandez-Bussy S, Simoff MJ.
Ann Am Thorac Soc, 2026, 23(9), 1360-1368.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41773028/
背景:
ガイドラインでは、8 mmを超える診断未確定の肺病変に対して非外科的生検が推奨されています。shape-sensing robotic-assisted bronchoscopy(ssRAB)は、小型肺結節の生検に用いられる機会が増えていますが、これまでの報告は単施設研究が中心で、追跡期間も限定的でした。PRECIsE研究では、初期世代のssRABについて、複数施設および導入初期のユーザーにおける安全性と性能を評価しました。

研究デザイン:
10~30 mmで亜区域気管支またはそれより末梢に位置する肺結節を有する患者を対象とした、前向き、多施設、観察研究です。cone-beam CTによるガイダンスを併用せずにssRABを施行しました。患者を2年間追跡し、主要評価項目は悪性腫瘍に対する感度、副次評価項目は診断率および安全性でした。感度および診断率に関連する因子を調整するため、多層ロジスティック回帰モデルを用いました。

結果:
6施設で計305手技が施行されました。結節径中央値は17.0 mm(IQR 14.0~23.0 mm)で、bronchus signは37%に認められました。2年間を通じた悪性腫瘍に対する感度は81.3%(95%CI 75.7~86.1%)でした。多層モデルでは、女性、より小さい結節径、下葉病変、半充実性病変、高いBMIが、より低い感度と関連していました。診断率はATS/ACCP基準で74.1%(95%CI 68.8~78.9%)、intermediate criteriaで77.5%(95%CI 72.4~81.8%)でした。ATS/ACCP基準による診断率に対する施設レベルの効果は統計学的に有意ではありませんでした(P=0.36)。介入を要する気胸は1.6%(5/305)、出血は1.0%(3/305)で、Nashville grade 2が2件、grade 3が1件でした。

結論:
初期世代のssRABは、小型末梢肺結節の生検において、新規導入ユーザーが使用した場合でも良好な診断性能と高い安全性を示しました。