注目論文:高齢入院患者におけるRSV感染症とインフルエンザの臨床転帰の比較
呼吸器内科
RSV(RSウイルス)感染症が高齢者においてインフルエンザと同等か、それ以上に重篤な転帰をもたらす可能性を示したイスラエルからの後方視的コホート研究です。日本でも高齢者向けRSVワクチンが承認・実用化された現在、本研究はワクチン接種の優先順位や予防戦略の重要性を裏付ける有益なリアルワールドデータと言えます。
Clinical Outcomes Among Older Adults Hospitalized with Respiratory Syncytial Virus and Influenza Infection: A Retrospective Analysis
高齢入院患者におけるRSVとインフルエンザ感染症の臨床転帰:後方視的解析
Jurkowicz M, Margalit I, Harris I, Mazar D, Teper A, Royzman I, Uppal S, Liang C, Begier E, Ganiel I, Yahav D, Mandelboim M.
Infect Dis Ther, 2026, Epub ahead of print
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41886204/
Clinical Outcomes Among Older Adults Hospitalized with Respiratory Syncytial Virus and Influenza Infection: A Retrospective Analysis
高齢入院患者におけるRSVとインフルエンザ感染症の臨床転帰:後方視的解析
Jurkowicz M, Margalit I, Harris I, Mazar D, Teper A, Royzman I, Uppal S, Liang C, Begier E, Ganiel I, Yahav D, Mandelboim M.
Infect Dis Ther, 2026, Epub ahead of print
背景:RSV(RSウイルス)は高齢者の罹患率および死亡率の主な原因です。イスラエルでは、RSVワクチン接種戦略の指針となるような、特にインフルエンザと比較したRSVの転帰に関する情報が限られています。本研究は、2016年から2023年にイスラエルで入院した60歳以上の成人におけるRSV感染と臨床転帰の予測因子を特徴づけ、季節性インフルエンザ入院患者と疾患の重症度および転帰を比較することを目的としました。
研究デザイン:2016年から2023年の間に標準治療であるRT-PCR検査でRSVまたはインフルエンザの陽性が確認された60歳以上の入院成人を対象とした後方視的解析を実施しました。主要評価項目は、集中治療室(ICU)入室、機械換気、昇圧剤投与、または30日死亡の複合としました。心血管系合併症も記録しました。潜在的な交絡を調整するために、逆確率治療重み付け(IPTW)を用いました。RSVとインフルエンザの臨床転帰を比較するために、重み付けおよび重み付けなしの相対リスク(RR)を推定しました。
結果:全体で817名のRSV陽性患者と2113名のインフルエンザ陽性患者が組み込まれました。RSV患者において、30日および90日死亡率はそれぞれ11.9%および18.8%であり、ICU入室を要した患者は10.6%、機械換気は6.4%、昇圧剤投与は6.5%でした。頻脈性不整脈は17.7%、虚血は9.9%で記録されました。複合主要評価項目の予測因子には、慢性肺疾患、下気道感染症、低体温、脈拍上昇、血圧低下、クレアチニン上昇が含まれました。IPTWで調整した解析では、RSV感染症はインフルエンザと比較して、複合主要評価項目(RR 1.03、95%信頼区間 [CI] 1.00~1.06)および90日死亡率(RR 1.02、95% CI 0.99~1.05)のリスクが増加する傾向が見られました。
結論:入院した高齢者において、RSV感染はかなりの罹患率と死亡率をもたらし、インフルエンザと比較して臨床転帰が不良となるリスクが高い可能性があります。これらの知見は、高齢者におけるRSVワクチン接種プログラムの優先順位付けを支持するものです。
研究デザイン:2016年から2023年の間に標準治療であるRT-PCR検査でRSVまたはインフルエンザの陽性が確認された60歳以上の入院成人を対象とした後方視的解析を実施しました。主要評価項目は、集中治療室(ICU)入室、機械換気、昇圧剤投与、または30日死亡の複合としました。心血管系合併症も記録しました。潜在的な交絡を調整するために、逆確率治療重み付け(IPTW)を用いました。RSVとインフルエンザの臨床転帰を比較するために、重み付けおよび重み付けなしの相対リスク(RR)を推定しました。
結果:全体で817名のRSV陽性患者と2113名のインフルエンザ陽性患者が組み込まれました。RSV患者において、30日および90日死亡率はそれぞれ11.9%および18.8%であり、ICU入室を要した患者は10.6%、機械換気は6.4%、昇圧剤投与は6.5%でした。頻脈性不整脈は17.7%、虚血は9.9%で記録されました。複合主要評価項目の予測因子には、慢性肺疾患、下気道感染症、低体温、脈拍上昇、血圧低下、クレアチニン上昇が含まれました。IPTWで調整した解析では、RSV感染症はインフルエンザと比較して、複合主要評価項目(RR 1.03、95%信頼区間 [CI] 1.00~1.06)および90日死亡率(RR 1.02、95% CI 0.99~1.05)のリスクが増加する傾向が見られました。
結論:入院した高齢者において、RSV感染はかなりの罹患率と死亡率をもたらし、インフルエンザと比較して臨床転帰が不良となるリスクが高い可能性があります。これらの知見は、高齢者におけるRSVワクチン接種プログラムの優先順位付けを支持するものです。