注目論文:急性低酸素血症性呼吸不全に対するネーザルハイフローと標準酸素療法の比較(SOHO試験)

呼吸器内科
急性低酸素血症性呼吸不全に対するネーザルハイフロー(HFNC)の真価を問う、待望のNEJM誌「SOHO試験」です。かつてのFLORALI試験(同じ筆頭著者)と異なり、主要評価項目の28日死亡率に標準酸素療法との有意差は認めませんでした。しかし、挿管率はHFNC群で有意に低下(42.4% vs 48.4%)しており、「挿管回避」という実臨床での強力なベネフィットは健在です。
High-Flow or Standard Oxygen in Acute Hypoxemic Respiratory Failure
急性低酸素血症性呼吸不全におけるハイフローまたは標準酸素療法
Frat JP, Quenot JP, Guitton C, 他 (SOHO Trial Group)
N Engl J Med. 2026 Mar 17. Epub ahead of print.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41841715/
背景:
急性低酸素血症性呼吸不全患者において、ネーザルハイフローを介して投与される酸素が標準酸素療法と比較して、挿管および死亡率に及ぼす影響に関するデータが必要とされている。

研究デザイン:
本多施設共同非盲検試験において、急性低酸素血症性呼吸不全患者をハイフロー酸素療法群または標準酸素療法群にランダムに割り付けた。全患者は、動脈血酸素分圧/吸入酸素分画(P/F)比が200以下、呼吸数が25回/分超であり、胸部画像検査で肺浸潤影を認めた。主要評価項目は28日目までの死亡とした。

結果:
合計1116名の患者がランダム化を受けた。このうち1110名(ハイフロー酸素群556名、標準酸素群554名)を解析に組み込んだ。28日死亡率は、ハイフロー酸素群で14.6%(556名中81名)、標準酸素群で14.6%(554名中81名)であった(差、-0.05パーセントポイント;95%信頼区間[CI]、-4.21~4.10;P=0.98)。28日目までの挿管発生率は、ハイフロー酸素群で42.4%(556名中236名)、標準酸素群で48.4%(554名中268名)であった(差、-5.93パーセントポイント;95% CI、-11.78~-0.08)。自発呼吸中の重篤な有害事象(心停止または気胸)は、ハイフロー酸素群で13名(2.3%)、標準酸素群で6名(1.1%)に発生した。

結論:
急性低酸素血症性呼吸不全患者において、ネーザルハイフローによる酸素投与は標準酸素療法と比較して、28日死亡率を有意に減少させなかった。