注目論文:テゼペルマブによる重症喘息患者の経口ステロイド減量・離脱効果(WAYFINDER試験)

呼吸器内科
先行するSOURCE試験では好酸球数が低い集団での経口ステロイド(OCS)減量効果が限定的でしたが、今回のWAYFINDER試験はその懸念を払拭する強力なデータです。単群試験ではあるものの、表現型(好酸球数やFeNO、アレルギーの有無)に関わらず約90%が5mg以下に減量、半数が完全離脱できた点は臨床医として非常に勇気づけられます。特に、副腎機能を評価しながら安全に減量を行ったプロトコルは実臨床の参考になります。TSLP阻害薬が「幅広い患者層(Broad population)」でのOCSフリーを目指す切り札になることを示唆しています。
Oral corticosteroid reduction and discontinuation in adults with corticosteroid-dependent, severe, uncontrolled asthma treated with tezepelumab (WAYFINDER): a multicentre, single-arm, phase 3b trial テゼペルマブ治療を受けたステロイド依存性重症非コントロール喘息成人患者における経口ステロイドの減量および中止(WAYFINDER試験) Jackson DJ, Lugogo NL, Gurnell M, et al. Lancet Respir Med. 2026 Feb;14(2):129-140.
背景:
テゼペルマブのOCS減量効果を検証した第3相SOURCE試験では、ベースラインの血中好酸球数が150/μL以上の患者においてプラセボ対比で効果が示されました。WAYFINDER試験は、OCS依存性の重症非コントロール喘息患者のより大規模なコホートにおいて、テゼペルマブがOCSの減量または中止を可能にするかをさらに評価することを目的としました。

研究デザイン:
第3b相、多施設共同、単群、非盲検試験です。11カ国68施設から、プレドニゾン換算で1日5〜40mgの維持OCSを服用している重症非コントロール喘息の成人(18〜80歳)を登録しました。参加者はテゼペルマブ210mgを4週ごとに最大52週間皮下投与されました。主要評価項目は、28週および52週時点で「喘息コントロールを失わずに維持OCS量を1日5mg以下に減量できた割合」および「OCSを完全に中止できた割合」でした。なお、5mg未満への減量は副腎機能が保たれていることを条件としました。

結果:
382名が登録され、テゼペルマブを投与された298名(女性69.1%)が解析対象となりました。ベースラインの平均OCS維持量は10.8mg/日でした。喘息コントロールを維持したままOCSを1日5mg以下に減量できた割合は、28週で88.9%、52週で89.9%(95% CI 85.9-93.1)でした。OCSを完全に中止できた割合は、28週で32.2%、52週で50.3%(95% CI 44.5-56.2)でした。これらの減量・中止効果は、ベースラインの好酸球数、FeNO、アレルギーの有無に基づく事前に規定されたサブグループ全体で達成されました。

結論:
52週間のテゼペルマブ治療により、OCS依存性の重症喘息患者の約90%が維持OCS量を1日5mg以下に減量し、半数以上が完全な中止を達成しました。これらの所見は、テゼペルマブ治療が、幅広い表現型の重症喘息患者においてOCS使用量とその関連負担を軽減するのに役立つことを示しています。