注目論文:COVID-19の疾病負荷は依然高水準:高齢者における死亡割合が8割超

呼吸器内科
2024年までの米国の最新データですが、臨床医として非常に重く受け止めるべき結果です。全体的な感染者数は減少傾向にあるものの、2023-24年シーズンでも年間約10万人が死亡しており、その「81.2%」が65歳以上の高齢者で占められています。 もはや若年者にとっては一般的な感冒と大差ないかもしれませんが、高齢者や基礎疾患を有する患者にとっては依然として致死的な脅威です。呼吸器内科の現場でも、高齢者の重症例は散見されます。「ウィズコロナ」の社会において、全数把握から定点把握へと移行しましたが、ハイリスク群に対するワクチン接種や早期の抗ウイルス薬投与といった「標的を絞った予防・治療戦略」の重要性を再認識させる重要なデータです。
Estimated Burden of COVID-19 Illnesses, Medical Visits, Hospitalizations, and Deaths in the US From October 2022 to September 2024 2022年10月から2024年9月までの米国におけるCOVID-19の疾患、外来受診、入院、および死亡の推定負荷 Koumans EHA, Khan D, Trejo I, et al. JAMA Intern Med. 2026 Jan 5:e257179
背景: 2020年以降、COVID-19は米国の人口および医療システムに劇的な影響を与えてきました。パンデミックの進行に伴い、報告要件、流行株、検査体制、およびワクチンや既感染による集団免疫は変化しています。エビデンスに基づいた公衆衛生政策や医療資源の配分を決定するためには、現在の疾病負荷の推定値が必要です。

研究デザイン: 米国人口の約10%をカバーする12州のCOVID-NET(COVID-19 Hospitalization Surveillance Network)の入院データを用いた横断研究を実施しました。検査実施状況や検査感度によるSARS-CoV-2の過小検出を調整した階層ベイズモデルを適用しました。2022年10月~2023年9月(第1期)および2023年10月~2024年9月(第2期)のデータを解析し、文献および研究に基づく乗数を組み込んだ確率的数学モデルを用いて、年齢層別の死亡数、外来受診数、症候性疾患数を推定しました。

結果: 2022-2023年(第1期)には、推定4360万件のCOVID-19関連疾患、1000万件の外来受診、110万件の入院、および10万1300件の死亡が発生しました。 2023-2024年(第2期)には、推定3300万件の疾患、770万件の外来受診、87万9100件の入院、および10万800件の死亡が発生しました。 特筆すべき点として、2023-2024年において65歳以上の高齢者は米国総人口の17.7%に過ぎませんが、COVID-19関連疾患の47.9%、外来受診の64.3%、入院の67.6%、そして死亡の81.2%を占めていました。

結論: 本研究において、米国のCOVID-19疾病負荷は第1期から第2期にかけて減少したものの、依然として大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。特に65歳以上の成人における負荷が顕著であり、この年齢層に対する予防策の継続的な重要性が強調されます。