注目論文:喘息の併存症を考慮した生物学的製剤の選び方

呼吸器内科
重症喘息に対する生物学的製剤は現在5種類(オマリズマブ、メポリズマブ、ベンラルズマブ、デュピルマブ、テゼペルマブ)が使用可能となり、その使い分けは実臨床における大きな悩みどころです。血中好酸球数やFeNO、IgEといったバイオマーカーはもちろん重要ですが、最終的な薬剤選択の「決め手」となるのはしばしば併存症の存在です。本総説は、好酸球性副鼻腔炎やアトピー性皮膚炎、EGPAなど、Type 2炎症に関連する併存症ごとに、どの製剤が適しているかを整理した非常に実践的なレビューです。
How to choose a biologic agent considering comorbidities of bronchial asthma 気管支喘息の併存症を考慮した生物学的製剤の選び方 Itoga M, Tasaka S. Respir Investig. 2026 Jan;64(1):101337.
背景: 生物学的製剤は重症喘息の治療に革命をもたらしましたが、疾患フェノタイプの多様性と頻繁な併存症の存在により、最適な薬剤の選択は依然として課題となっています。

研究デザイン(内容): 喘息患者における生物学的製剤選択における併存症の臨床的意義を探求したミニレビューです。慢性特発性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、好酸球性中耳炎、アスピリン喘息(AERD)など、Type 2炎症に関連する併存症の有病率と、それらに対する5つの主要な生物学的製剤(オマリズマブ、メポリズマブ、ベンラルズマブ、デュピルマブ、テゼペルマブ)の有効性に関する最近のエビデンスを要約しています。

結果: 各生物学的製剤は、それぞれIgE、IL-5、IL-5Rα、IL-4Rα、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)といったType 2炎症における異なる免疫学的経路を標的としています。本レビューでは、それぞれの製剤がどの併存症に対して有効性が示されているか、または期待されるかが整理されています。

結論: 重症喘息に対する生物学的製剤療法を最適化するためには、バイオマーカーに加えて併存症の評価が不可欠です。治療戦略に併存症のプロファイルを統合することで、より精密で効果的な生物学的製剤の使用が可能となり、複雑な喘息症例の転帰を改善することができます。