注目論文:免疫正常者でも侮れない肺真菌症の診断戦略
呼吸器内科
「免疫不全=真菌」という古典的な図式だけでは見落としが生じる時代になりました。気候変動やウイルス感染後(ポストCOVID/インフルエンザ等)、ICU管理の高度化などを背景に、免疫正常とされる患者でも肺真菌症は増加傾向にあります。特に重要なのは、好中球減少がない患者ではガラクトマンナン等の血清診断の感度が落ちる点です。抗菌薬不応性の肺炎を見た際、「免疫正常だから」と除外せず、構造的肺疾患の有無や環境因子を考慮し、積極的に疑う姿勢が求められます。Chestからのタイムリーかつ実用的な総説です。
Pulmonary fungal infections in the immunocompetent host 免疫正常宿主における肺真菌症 Lieu A, Mah JK, Vinh DC, Qureshi ST. Chest. 2026 Jan 14:S0012-3692(26)00016-4.
背景: 肺真菌症は伝統的に免疫不全患者に関連する疾患とされてきましたが、現在では免疫正常者(immunocompetent host)においても認識されつつあります。この傾向は、気候変動に伴う環境変化、ウイルス感染後症候群、ICU治療の進歩など、複数の要因に起因しています。免疫正常者は通常、肺真菌感染に対して有効な応答を示しますが、肺の構造異常や機能異常、一過性の免疫機能障害、あるいは抗原過敏性が存在する場合、重症化する可能性があります。
研究デザイン: 本論文は、免疫正常者における肺真菌症の疫学、リスク因子、診断検査の特性と限界、および臨床的アプローチについてまとめた総説(Review)です。
結果: 従来の免疫低下のリスク因子がない場合、臨床医が真菌感染を疑う可能性は低くなりがちです。非特異的な臨床症状や特徴的な画像所見の欠如により、免疫正常者における肺真菌症の早期発見には多くの課題があります。血清ガラクトマンナンなどの容易に利用可能な非侵襲的バイオマーカーは、非好中球減少患者においては感度が低く、(1-3)-β-D-グルカンの感度や性能も原因真菌や臨床背景に依存します。確定診断にはしばしば侵襲的な検体採取が必要となりますが、従来の微生物学的検査は結果判明まで時間がかかり、感度も不十分なままです。したがって、代替診断が明らかでない場合や、他の疾患を標的とした治療への反応が乏しい場合には、高い疑いを持って適切な検査を行うことが不可欠です。
結論: 免疫正常者における肺真菌症の効果的な診断と管理には、疫学的因子や新たなリスク因子を、利用可能な診断検査の長所・短所と統合した、体系的な臨床アプローチが極めて重要です。
研究デザイン: 本論文は、免疫正常者における肺真菌症の疫学、リスク因子、診断検査の特性と限界、および臨床的アプローチについてまとめた総説(Review)です。
結果: 従来の免疫低下のリスク因子がない場合、臨床医が真菌感染を疑う可能性は低くなりがちです。非特異的な臨床症状や特徴的な画像所見の欠如により、免疫正常者における肺真菌症の早期発見には多くの課題があります。血清ガラクトマンナンなどの容易に利用可能な非侵襲的バイオマーカーは、非好中球減少患者においては感度が低く、(1-3)-β-D-グルカンの感度や性能も原因真菌や臨床背景に依存します。確定診断にはしばしば侵襲的な検体採取が必要となりますが、従来の微生物学的検査は結果判明まで時間がかかり、感度も不十分なままです。したがって、代替診断が明らかでない場合や、他の疾患を標的とした治療への反応が乏しい場合には、高い疑いを持って適切な検査を行うことが不可欠です。
結論: 免疫正常者における肺真菌症の効果的な診断と管理には、疫学的因子や新たなリスク因子を、利用可能な診断検査の長所・短所と統合した、体系的な臨床アプローチが極めて重要です。