注目論文:ハイリスク成人への21価肺炎球菌ワクチン「V116」の実力(STRIDE-8)
呼吸器内科
成人特化型の21価肺炎球菌結合型ワクチン(V116)の第3相試験結果です。糖尿病や慢性肺疾患などハイリスクを有する18-64歳において、現行の標準治療の一つであるPCV15+PPSV23の連続接種と比較し、V116単回接種は共通血清型で同等、V116固有の8血清型ではより高い免疫原性を示しました。何より「単回接種」で完了する利便性は圧倒的で、接種率向上や医療現場の負担軽減に直結します。今後のガイドラインにおける第一選択となる可能性が高い、極めて重要なエビデンスです。
A Phase 3, Randomized Trial Investigating the Safety, Tolerability, and Immunogenicity of V116, an Adult-Specific Pneumococcal Conjugate Vaccine, in Pneumococcal Vaccine-Naïve Adults 18-64 Years of Age at Increased Risk of Pneumococcal Disease, STRIDE-8 肺炎球菌性疾患のリスクが高い18~64歳の肺炎球菌ワクチン未接種成人における、成人特異的肺炎球菌結合型ワクチンV116の安全性、忍容性、および免疫原性を検討する第3相無作為化試験(STRIDE-8) Scott PT, Pathirana J, Kato A, et al. Clin Infect Dis. 2025 Nov 10:ciaf604
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41208546/
背景: 肺炎球菌性疾患(PD)は成人の入院および死亡の主要な原因です。特定の慢性疾患を持つ個人は、PDのリスクが増大しています。
研究デザイン: PDのリスクが増大する疾患(糖尿病、腎臓、心臓、肝臓、または肺疾患)を1つ以上有する18~64歳の成人を対象に、21価肺炎球菌結合型ワクチン(V116)の安全性と免疫原性を評価した第3相無作為化二重盲検実薬対照試験です。参加者は、V116単回接種後にプラセボを投与される群、または15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)接種後に8週間あけて23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)を投与される群のいずれかに割り付けられました。免疫応答は、接種30日後(V116群は30日目、PCV15+PPSV23群は12週目)のオプソニン化貪食活性(OPA)幾何平均抗体価(GMT)およびIgG幾何平均濃度(GMC)で評価しました。
結果: V116はワクチンに含まれる全21血清型に対して免疫原性を示しました。両群に共通する13血清型については、V116接種後のOPA GMTおよびIgG GMCはPCV15+PPSV23と同等でした。V116に特有の8血清型については、免疫応答はPCV15+PPSV23よりもV116の方が高値でした。V116の忍容性はPCV15+PPSV23と比較して良好であり、ワクチンに関連した重篤な有害事象や死亡は報告されませんでした。
結論: V116は、PDのリスクが増大する疾患を有する18~64歳の成人において、強固な免疫応答を誘発し、忍容性も良好です。
研究デザイン: PDのリスクが増大する疾患(糖尿病、腎臓、心臓、肝臓、または肺疾患)を1つ以上有する18~64歳の成人を対象に、21価肺炎球菌結合型ワクチン(V116)の安全性と免疫原性を評価した第3相無作為化二重盲検実薬対照試験です。参加者は、V116単回接種後にプラセボを投与される群、または15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)接種後に8週間あけて23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)を投与される群のいずれかに割り付けられました。免疫応答は、接種30日後(V116群は30日目、PCV15+PPSV23群は12週目)のオプソニン化貪食活性(OPA)幾何平均抗体価(GMT)およびIgG幾何平均濃度(GMC)で評価しました。
結果: V116はワクチンに含まれる全21血清型に対して免疫原性を示しました。両群に共通する13血清型については、V116接種後のOPA GMTおよびIgG GMCはPCV15+PPSV23と同等でした。V116に特有の8血清型については、免疫応答はPCV15+PPSV23よりもV116の方が高値でした。V116の忍容性はPCV15+PPSV23と比較して良好であり、ワクチンに関連した重篤な有害事象や死亡は報告されませんでした。
結論: V116は、PDのリスクが増大する疾患を有する18~64歳の成人において、強固な免疫応答を誘発し、忍容性も良好です。