注目論文:呼吸リハビリテーションによる喘息の気道炎症抑制効果
呼吸器内科
喘息に対する呼吸リハビリテーション(PR)は症状や運動耐容能の改善をもたらすことは既知ですが、本研究は「気道炎症(FeNO)そのものを下げる」可能性を示した非常に興味深い報告です。特にFeNO > 50ppbの高値群において、薬物調整とは独立して40%も数値が低下した点は驚きです。難治性喘息や薬物療法を行ってもType 2炎症が残存する症例において、PRが単なるコンディショニングを超えた「抗炎症戦略」の一つになり得ることを示唆しており、包括的治療の重要性を再認識させられます。
Pulmonary Rehabilitation Reduces Airway Inflammation in Asthma Patients with High FeNO Levels
高FeNO値の喘息患者において呼吸リハビリテーションは気道炎症を軽減する
Gloeckl R, Kroll D, Abdulleyev G, et al.
J Asthma Allergy. 2025 Nov 22;18:1651-1660.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41311909/
高FeNO値の喘息患者において呼吸リハビリテーションは気道炎症を軽減する
Gloeckl R, Kroll D, Abdulleyev G, et al.
J Asthma Allergy. 2025 Nov 22;18:1651-1660.
景: 呼吸リハビリテーション(PR)は喘息患者に対する確立された非薬物療法であり、喘息コントロールや運動耐容能を改善しますが、気道炎症への影響は不明確でした。Type 2気道炎症のバイオマーカーである呼気一酸化窒素(FeNO)がPRにどう反応するかは十分に研究されていません。本研究は、FeNOの日内変動および異なるFeNOレベルを持つ喘息患者におけるPR中のFeNOの推移を調査することを目的としました。
研究デザイン: 包括的な3週間の入院PRプログラムを受ける喘息患者を対象とした前向き単施設研究です。観察期間は15日間の連続したFeNO測定を含みました。患者は初回のFeNO測定値に基づいて、低値(<25 ppb)、中間値(25-50 ppb)、高値(>50 ppb)の3群に分けられました。PR前後でFeNO(1日3回)、喘息コントロール、肺機能、血中好酸球数、運動耐容能を評価しました。
結果: 62名の患者が対象となりました。高FeNO群(n=22)のみが、薬剤の変更とは独立して、PR前後でFeNOの有意な40%低下(93±29 ppbから56±27 ppb、p<0.001)を示しました。低値群(17±8から16±10 ppb)および中間値群(39±12から30±10 ppb)のFeNOレベルは変化しませんでした。喘息コントロールと運動耐容能は3群すべてで改善し、特に初期FeNOが高値であった患者で最大の改善が見られました。
結論: PRは、ベースラインのFeNOが高い喘息患者においてFeNOレベルを有意に低下させました。これは薬物療法を超えた抗炎症効果を示唆しています。これらの知見は、特に最適化された薬物療法にもかかわらず気道炎症が持続する患者において、PRが喘息管理における補完的な戦略として重要であることを強調しています。
研究デザイン: 包括的な3週間の入院PRプログラムを受ける喘息患者を対象とした前向き単施設研究です。観察期間は15日間の連続したFeNO測定を含みました。患者は初回のFeNO測定値に基づいて、低値(<25 ppb)、中間値(25-50 ppb)、高値(>50 ppb)の3群に分けられました。PR前後でFeNO(1日3回)、喘息コントロール、肺機能、血中好酸球数、運動耐容能を評価しました。
結果: 62名の患者が対象となりました。高FeNO群(n=22)のみが、薬剤の変更とは独立して、PR前後でFeNOの有意な40%低下(93±29 ppbから56±27 ppb、p<0.001)を示しました。低値群(17±8から16±10 ppb)および中間値群(39±12から30±10 ppb)のFeNOレベルは変化しませんでした。喘息コントロールと運動耐容能は3群すべてで改善し、特に初期FeNOが高値であった患者で最大の改善が見られました。
結論: PRは、ベースラインのFeNOが高い喘息患者においてFeNOレベルを有意に低下させました。これは薬物療法を超えた抗炎症効果を示唆しています。これらの知見は、特に最適化された薬物療法にもかかわらず気道炎症が持続する患者において、PRが喘息管理における補完的な戦略として重要であることを強調しています。