注目論文:2024-2025年版COVID-19ワクチンの重症化予防効果
呼吸器内科
COVID-19の臨床的な重症度が低下し、ワクチン接種率も伸び悩む中、最新のワクチンが臨床的に意味のあるアウトカムをどの程度改善するのかは、臨床家にとって大きな関心事です。本研究は、米国退役軍人の大規模な電子カルテデータを用いた観察研究で、2024-2025年版ワクチンの有効性を評価しています。インフルエンザワクチン単独接種群を比較対照とする巧妙な研究デザインで、交絡因子を調整した結果、6ヶ月の追跡で入院を39.2%、死亡を64.0%減少させるという結果でした。最新のウイルス株に対しても、ワクチンが重症化予防に依然として有効であることを示す強力なエビデンスであり、患者さんへのワクチン推奨の根拠となる重要な報告です。
Association of 2024-2025 Covid-19 Vaccine with Covid-19 Outcomes in U.S. Veterans
米国退役軍人における2024-2025年版Covid-19ワクチンとCovid-19アウトカムとの関連
Cai M, Xie Y, Al-Aly Z.
N Engl J Med. 2025 Oct 8.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41061231/
米国退役軍人における2024-2025年版Covid-19ワクチンとCovid-19アウトカムとの関連
Cai M, Xie Y, Al-Aly Z.
N Engl J Med. 2025 Oct 8.
背景:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の臨床的重症度が低下し、年1回の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)ワクチンに対する国民の接種率が減少する中、臨床的に意義のあるアウトカムに対するワクチンの有効性に関する現代的なエビデンスが求められています。
研究デザイン:
米国退役軍人省の電子医療記録を用いた観察研究を実施し、2024年9月3日から12月31日の間にCovid-19ワクチンとインフルエンザワクチンを同日接種した退役軍人(164,132人)と、インフルエンザワクチンのみを接種した活動的対照群(131,839人)における、2024-2025年版Covid-19ワクチンの有効性を評価しました。参加者は180日間、もしくはいずれかのアウトカムが発生するまで追跡されました。逆確率重み付けモデルを用いて、6ヶ月時点でのCovid-19関連の救急外来受診、入院、死亡に対するワクチン有効性(1-リスク比として計算)を推定しました。
結果:
6ヶ月の追跡期間において、推定されたワクチン有効性は、Covid-19関連の救急外来受診に対して29.3%(95%信頼区間[CI], 19.1~39.2)、Covid-19関連の入院に対して39.2%(95% CI, 21.6~54.5)、Covid-19関連の死亡に対して64.0%(95% CI, 23.0~85.8)でした。これらの複合アウトカムに対するワクチン有効性は28.3%(95% CI, 18.2~38.2)でした。Covid-19ワクチンは、年齢、主要な併存疾患の有無、免疫状態によって定義された事前に規定したサブグループ全体で、これらのアウトカムのリスク減少と関連していました。
結論:
この米国の退役軍人からなる全国コホートにおいて、2024-2025年版Covid-19ワクチンの接種は、重篤な臨床アウトカムのリスク減少と関連していました。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の臨床的重症度が低下し、年1回の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)ワクチンに対する国民の接種率が減少する中、臨床的に意義のあるアウトカムに対するワクチンの有効性に関する現代的なエビデンスが求められています。
研究デザイン:
米国退役軍人省の電子医療記録を用いた観察研究を実施し、2024年9月3日から12月31日の間にCovid-19ワクチンとインフルエンザワクチンを同日接種した退役軍人(164,132人)と、インフルエンザワクチンのみを接種した活動的対照群(131,839人)における、2024-2025年版Covid-19ワクチンの有効性を評価しました。参加者は180日間、もしくはいずれかのアウトカムが発生するまで追跡されました。逆確率重み付けモデルを用いて、6ヶ月時点でのCovid-19関連の救急外来受診、入院、死亡に対するワクチン有効性(1-リスク比として計算)を推定しました。
結果:
6ヶ月の追跡期間において、推定されたワクチン有効性は、Covid-19関連の救急外来受診に対して29.3%(95%信頼区間[CI], 19.1~39.2)、Covid-19関連の入院に対して39.2%(95% CI, 21.6~54.5)、Covid-19関連の死亡に対して64.0%(95% CI, 23.0~85.8)でした。これらの複合アウトカムに対するワクチン有効性は28.3%(95% CI, 18.2~38.2)でした。Covid-19ワクチンは、年齢、主要な併存疾患の有無、免疫状態によって定義された事前に規定したサブグループ全体で、これらのアウトカムのリスク減少と関連していました。
結論:
この米国の退役軍人からなる全国コホートにおいて、2024-2025年版Covid-19ワクチンの接種は、重篤な臨床アウトカムのリスク減少と関連していました。