注目論文:2024-2025年版COVID-19ワクチン(BNT162b2)の入院予防効果に関する中間報告

呼吸器内科
2024-2025年シーズンのCOVID-19ワクチン(BNT162b2)の有効性に関する米国からのリアルワールドデータです。非免疫不全成人において、COVID-19関連の入院を41%予防する効果が示されました。接種率が4.7%と低い点は気になりますが、約690万人という大規模なデータベースを用いた中間解析として貴重な報告です。信頼区間が2-64%と広い点には注意が必要ですが、ワクチンが依然として重症化予防に有効であることを示唆しています。
2024-2025 BNT162b2 COVID-19 vaccine effectiveness in non-immunocompromised adults: mid-season estimates from vaccine registries in two states linked to administrative claims
非免疫不全成人における2024-2025年BNT162b2 COVID-19ワクチンの有効性:2州のワクチン登録簿と保険請求データをリンクした中間評価
Andersen KM, Ahi T, Mateus JS, Yu T, Zhou A, Lopez SMC, Puzniak L.
Vaccine. 2025 Jul 24;62:127534.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40712320/
背景:
2024-2025年BNT162b2 COVID-19ワクチンの有効性(VE)に関するデータは限られています。

研究デザイン:
2024年8月22日から2024年12月31日までの期間、カリフォルニア州またはルイジアナ州に在住し、HealthVerityに報告している健康保険プランに1年以上継続して加入している非免疫不全成人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施しました。2024-2025年BNT162b2 COVID-19ワクチンの接種状況は、州のワクチン登録簿と健康保険の請求データを基に、時間変動暴露の定義を用いて特定しました。COVID-19関連入院に対するVEは、調整済みCox比例ハザードモデルを用いて(1-ハザード比)として推定し、95%信頼区間(CI)を算出しました。

結果:
全体で6,900,361人が研究の選択基準を満たしました。追跡期間終了時(中央値4.4ヶ月)までに、325,362人(4.7%)がBNT162b2 2024-2025 COVID-19ワクチンを接種していました。COVID-19関連入院に対するVEは41%(95% CI 2-64%)でした。

結論:
2024-2025年版のBNT162b2 COVID-19ワクチンは、中間評価において、特に高齢成人に対して有意な予防効果を示しました。本研究はclinicaltrials.govにNCT06923137として登録されています。