注目論文:切除可能非小細胞肺癌に対する術前化学免疫療法の全生存期間改善効果
呼吸器内科
CheckMate 816試験の全生存期間(OS)に関する待望の最終解析結果です。術前ニボルマブ+化学療法がイベントフリー生存期間(EFS)と病理学的完全奏効(pCR)を改善することは既に示されていましたが、今回の報告でOSの有意な改善も証明されました。5年OSが化学療法単独群の55.0%に対し、併用群では65.4%と臨床的に意義のある差です。pCR達成や術前ctDNA消失がOS改善と強く関連することも示されており、治療効果予測の観点からも興味深いデータです。
Overall Survival with Neoadjuvant Nivolumab plus Chemotherapy in Lung Cancer
肺癌における術前ニボルマブ+化学療法の全生存期間
Forde PM, Spicer JD, Provencio M, 他
N Engl J Med. 2025 Aug 21;393(8):741-752.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40454642/
肺癌における術前ニボルマブ+化学療法の全生存期間
Forde PM, Spicer JD, Provencio M, 他
N Engl J Med. 2025 Aug 21;393(8):741-752.
背景:
切除可能な非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした第3相試験において、術前ニボルマブ+化学療法は病理学的完全奏効およびイベントフリー生存期間を有意に改善した。全生存期間に関するデータが必要とされていた。
研究デザイン:
この非盲検第3相試験では、IB期からIIIA期の切除可能NSCLC患者を、ニボルマブ+化学療法または化学療法単独を3サイクル施行後に手術を行う群に無作為に割り付けた。主要評価項目はイベントフリー生存期間と病理学的完全奏効であった。本報告では、計画されていた全生存期間の解析結果を報告する。
結果:
合計358人の患者が、ニボルマブ+化学療法群(179人)または化学療法単独群(179人)に割り付けられた。全生存期間の最終解析では、術前ニボルマブ+化学療法が化学療法に対し有意に良好であった(死亡のハザード比 0.72、95%信頼区間[CI] 0.523~0.998、P=0.048)。追跡期間中央値68.4ヶ月時点で、5年全生存率はニボルマブ+化学療法群で65.4%、化学療法単独群で55.0%であり、ほとんどのサブグループで一貫していた。探索的解析では、ニボルマブ+化学療法群における5年全生存率は、病理学的完全奏効を達成した患者で95.3%(95% CI, 82.7~98.8)、達成しなかった患者で55.7%(95% CI, 46.9~63.7)であった。また、術前の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が消失した患者では75.0%、消失しなかった患者では52.6%であった。新たな安全性シグナルは観察されなかった。
結論:
術前ニボルマブ+化学療法の3サイクル投与は、切除可能なNSCLC患者において、化学療法単独と比較して全生存期間を有意に改善した。
切除可能な非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした第3相試験において、術前ニボルマブ+化学療法は病理学的完全奏効およびイベントフリー生存期間を有意に改善した。全生存期間に関するデータが必要とされていた。
研究デザイン:
この非盲検第3相試験では、IB期からIIIA期の切除可能NSCLC患者を、ニボルマブ+化学療法または化学療法単独を3サイクル施行後に手術を行う群に無作為に割り付けた。主要評価項目はイベントフリー生存期間と病理学的完全奏効であった。本報告では、計画されていた全生存期間の解析結果を報告する。
結果:
合計358人の患者が、ニボルマブ+化学療法群(179人)または化学療法単独群(179人)に割り付けられた。全生存期間の最終解析では、術前ニボルマブ+化学療法が化学療法に対し有意に良好であった(死亡のハザード比 0.72、95%信頼区間[CI] 0.523~0.998、P=0.048)。追跡期間中央値68.4ヶ月時点で、5年全生存率はニボルマブ+化学療法群で65.4%、化学療法単独群で55.0%であり、ほとんどのサブグループで一貫していた。探索的解析では、ニボルマブ+化学療法群における5年全生存率は、病理学的完全奏効を達成した患者で95.3%(95% CI, 82.7~98.8)、達成しなかった患者で55.7%(95% CI, 46.9~63.7)であった。また、術前の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が消失した患者では75.0%、消失しなかった患者では52.6%であった。新たな安全性シグナルは観察されなかった。
結論:
術前ニボルマブ+化学療法の3サイクル投与は、切除可能なNSCLC患者において、化学療法単独と比較して全生存期間を有意に改善した。