注目論文:非糖尿病患者の閉塞性睡眠時無呼吸症におけるGLP-1受容体作動薬の有効性
呼吸器内科
GLP-1受容体作動薬(GLP-1 RAs)が非糖尿病の閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)患者に対して有効性を示すという結果は大変興味深いです。AHIが平均16.6回/時間減少したことは臨床的に意義があり、特に肥満を伴うOSA患者の新たな治療選択肢となる可能性があります。ただし、有害事象のリスクが1.62倍増加する点には注意が必要です。
Efficacy and safety of GLP-1 receptor agonists in the management of obstructive sleep apnea in individuals without diabetes: A systematic review and meta-analysis of randomized, placebo-controlled trials
非糖尿病患者における閉塞性睡眠時無呼吸症の管理におけるGLP-1受容体作動薬の有効性と安全性:ランダム化プラセボ対照試験のシステマティックレビューとメタアナリシス
Kow CS, Ramachandram DS, Hasan SS, Thiruchelvam K.
Sleep Med. 2025 Feb 13;129:40-44.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39978242/
非糖尿病患者における閉塞性睡眠時無呼吸症の管理におけるGLP-1受容体作動薬の有効性と安全性:ランダム化プラセボ対照試験のシステマティックレビューとメタアナリシス
Kow CS, Ramachandram DS, Hasan SS, Thiruchelvam K.
Sleep Med. 2025 Feb 13;129:40-44.
背景:
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は、睡眠中の呼吸を妨げる一般的な睡眠障害です。持続陽圧呼吸療法が標準治療ですが、アドヒアランスの低さから代替治療の探索が進められています。グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RAs)は体重減少効果が示されており、OSAの管理に役立つ可能性があります。このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、糖尿病のない肥満を伴うOSA患者におけるGLP-1 RAsの有効性と安全性を評価しました。
研究デザイン:
2024年9月に複数のデータベースで系統的検索を行いました。体格指数(BMI)≥30 kg/m²の成人OSA患者を対象としたGLP-1 RAsに関するランダム化比較試験(RCTs)を対象としました。主要評価項目は、無呼吸低呼吸指数(AHI)の変化と全体的な有害事象でした。メタアナリシスはランダム効果モデルを用いて実施されました。
結果:
分析には3つのRCTが含まれました。統合結果では、GLP-1 RA治療はプラセボと比較してAHIを有意に減少させ、加重平均差(WMD)は-16.6イベント/時間(95%信頼区間[CI]:-27.9から-5.3)でした。しかし、GLP-1 RAsはプラセボと比較して有害事象の頻度が高く、オッズ比(OR)は1.62(95% CI:1.16から2.24)でした。GLP-1 RAsはOSAの重症度を効果的に軽減し、肥満を伴うOSA患者にとって有望な代替治療となる可能性があります。しかし、副作用のリスク増加を考慮する必要があります。OSA管理におけるGLP-1 RAsの持続的な効果と安全性を確認するためには、さらなる長期研究が必要です。
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は、睡眠中の呼吸を妨げる一般的な睡眠障害です。持続陽圧呼吸療法が標準治療ですが、アドヒアランスの低さから代替治療の探索が進められています。グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RAs)は体重減少効果が示されており、OSAの管理に役立つ可能性があります。このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、糖尿病のない肥満を伴うOSA患者におけるGLP-1 RAsの有効性と安全性を評価しました。
研究デザイン:
2024年9月に複数のデータベースで系統的検索を行いました。体格指数(BMI)≥30 kg/m²の成人OSA患者を対象としたGLP-1 RAsに関するランダム化比較試験(RCTs)を対象としました。主要評価項目は、無呼吸低呼吸指数(AHI)の変化と全体的な有害事象でした。メタアナリシスはランダム効果モデルを用いて実施されました。
結果:
分析には3つのRCTが含まれました。統合結果では、GLP-1 RA治療はプラセボと比較してAHIを有意に減少させ、加重平均差(WMD)は-16.6イベント/時間(95%信頼区間[CI]:-27.9から-5.3)でした。しかし、GLP-1 RAsはプラセボと比較して有害事象の頻度が高く、オッズ比(OR)は1.62(95% CI:1.16から2.24)でした。GLP-1 RAsはOSAの重症度を効果的に軽減し、肥満を伴うOSA患者にとって有望な代替治療となる可能性があります。しかし、副作用のリスク増加を考慮する必要があります。OSA管理におけるGLP-1 RAsの持続的な効果と安全性を確認するためには、さらなる長期研究が必要です。