注目論文:喘息における吸入レスキュー療法の効果比較:システマティックレビューとメタ解析
呼吸器内科
本研究では、喘息のレスキュー薬に関して,短時間作用性β2刺激薬(SABA)単独と比較して、吸入ステロイド(ICS)との併用療法が増悪抑制とコントロール改善に有効であることが示されました。特に、ICSと速効性の長時間作用性β2刺激薬であるホルモテロールの併用が、最も効果的である可能性が示唆されています。
Inhaled Reliever Therapies for Asthma: A Systematic Review and Meta-Analysis
喘息における吸入レスキュー療法:システマティックレビューとメタ解析
Rayner DG, Ferri DM, Guyatt GH, O'Byrne PM, Brignardello-Petersen R, Foroutan F, et al.
JAMA. 2025 Jan 14;333(2):143-152.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39465893/
喘息における吸入レスキュー療法:システマティックレビューとメタ解析
Rayner DG, Ferri DM, Guyatt GH, O'Byrne PM, Brignardello-Petersen R, Foroutan F, et al.
JAMA. 2025 Jan 14;333(2):143-152.
背景:
喘息における最適な吸入レスキュー療法は明確になっていません。本研究は、短時間作用性β刺激薬(SABA)単独と、SABAと吸入ステロイド(ICS)の併用、および速効性の長時間作用性β刺激薬であるホルモテロールとICSの併用を比較することを目的としました。
研究デザイン:
MEDLINE、Embase、CENTRALデータベースを2020年1月1日から2024年9月27日まで検索し、(1)SABA単独、(2)ICSとホルモテロール、(3)ICSとSABA(配合剤または別吸入)を評価したランダム化臨床試験を対象としました。2名のレビュアーが独立してデータ抽出とバイアスリスク評価を行い、ランダム効果メタ解析でアウトカムを統合し、GRADEシステムでエビデンスの確実性を評価しました。
結果:
27件のランダム化臨床試験(成人および小児患者50,496名、平均年齢41.0歳、男性20,288名[40%])が含まれました。SABA単独と比較して、ICSを含む両レスキュー療法は、重症増悪の減少(ICS-ホルモテロールのリスク比[RR] 0.65 [95%信頼区間 0.60-0.72]、リスク差[RD] -10.3% [-11.8%から-8.3%]、ICS-SABA RR 0.84 [0.73-0.95]、RD -4.7% [-8.0%から-1.5%])と喘息コントロールの改善に関連していました。間接比較において、ICS-ホルモテロールはICS-SABAと比較して、重症増悪がより少なく(RR 0.78 [0.66-0.92]、RD -5.5% [-8.4%から-2.0%])、重篤な有害事象のリスク増加は認められませんでした。
結論:
このネットワークメタ解析において、喘息患者におけるICSとホルモテロールの併用およびICSとSABAの併用は、いずれもSABA単独と比較して喘息増悪の減少と喘息コントロールの改善に関連していることが示されました。
喘息における最適な吸入レスキュー療法は明確になっていません。本研究は、短時間作用性β刺激薬(SABA)単独と、SABAと吸入ステロイド(ICS)の併用、および速効性の長時間作用性β刺激薬であるホルモテロールとICSの併用を比較することを目的としました。
研究デザイン:
MEDLINE、Embase、CENTRALデータベースを2020年1月1日から2024年9月27日まで検索し、(1)SABA単独、(2)ICSとホルモテロール、(3)ICSとSABA(配合剤または別吸入)を評価したランダム化臨床試験を対象としました。2名のレビュアーが独立してデータ抽出とバイアスリスク評価を行い、ランダム効果メタ解析でアウトカムを統合し、GRADEシステムでエビデンスの確実性を評価しました。
結果:
27件のランダム化臨床試験(成人および小児患者50,496名、平均年齢41.0歳、男性20,288名[40%])が含まれました。SABA単独と比較して、ICSを含む両レスキュー療法は、重症増悪の減少(ICS-ホルモテロールのリスク比[RR] 0.65 [95%信頼区間 0.60-0.72]、リスク差[RD] -10.3% [-11.8%から-8.3%]、ICS-SABA RR 0.84 [0.73-0.95]、RD -4.7% [-8.0%から-1.5%])と喘息コントロールの改善に関連していました。間接比較において、ICS-ホルモテロールはICS-SABAと比較して、重症増悪がより少なく(RR 0.78 [0.66-0.92]、RD -5.5% [-8.4%から-2.0%])、重篤な有害事象のリスク増加は認められませんでした。
結論:
このネットワークメタ解析において、喘息患者におけるICSとホルモテロールの併用およびICSとSABAの併用は、いずれもSABA単独と比較して喘息増悪の減少と喘息コントロールの改善に関連していることが示されました。