関節軟骨損傷(膝)

【関節軟骨損傷とは】

関節軟骨は関節のスムーズな可動や、荷重緩衝を担っております。軟骨組織は約70%が水分であり、他にII型コラーゲンやプロテオグリカンが含まれております。骨とは違い血管や神経、リンパ管などは存在していません(軟骨自体は痛みを感じません)。
軟骨損傷の主な原因は、スポーツによって繰り返す膝への負担や、外傷などによる物理的な強い衝撃が加わることで起こると言われています。軟骨損傷を長期的に放置しておくと、変形性膝関節症のリスクが高まります。
軟骨は再生能力が低いため一度損傷してしまうと自力では治癒・再生はしません。当科では軟骨損傷の治療のため以下の手術療法を組み合わせて行っております。

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【 手術方法 】

1.マイクロフラクチャー(骨穿孔術)法
損傷した軟骨部にノミのような器具を使用し、軟骨下骨と骨髄に小さな穴を開けます。穴を開ける事で骨髄から出血や骨髄液を生じさせ、それが損傷部に溜まり時間が経つことで線維軟骨となり修復されます。

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2.自家骨軟骨移植術
 大腿骨の非荷重部や反対側の膝関節から専用の器具を用いて軟骨付きの骨組織を円柱状に採取し、軟骨損傷部に移植する治療法です。

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3.自家培養軟骨移植術
 ご自身の軟骨を少量(約0.4g)採取し、採取した軟骨を4週間培養した後に損傷部位へ移植を行う方法です。手術は軟骨採取術と培養軟骨移植術の2回に分けて行います。
手術適応は、膝関節における外傷性軟骨欠損症または離断性骨軟骨炎、かつ軟骨欠損面積が4平方センチメートル以上の場合に限ります。

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*これらの手術は、いずれも関節鏡もしくは膝に数cmの皮膚切開を加えて行います。
手術方法に対する適応は、症状と損傷の程度(MRI等で評価)によって慎重に決定致します。詳しくは担当医にご相談下さい。