新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症について、特に誰もができることについて述べさせてください。

  1. 発熱や風邪症状があるときには、仕事や学校を休む。
  2. 咳やくしゃみが出るときには、マスクやティッシュ、袖などを使って、口や鼻を抑える(咳エチケット)。
  3. 常日頃から、手洗い、アルコール製剤による手指衛生を心がける。
  4. 限りある医療リソースを疲弊させないために、軽度の風邪症状で医療機関を受診しない。

ニュースで報じられている通り、発熱や上気道症状が出てからも通常通り働き続けることによって、感染がさらに広がっています。体調が悪かったら、例え自分がそれほど辛くなくても、他の人にうつさないという観点から仕事を休むこと(自宅からの遠隔勤務も考慮)、そして、それを問題視しないような職場の雰囲気、社会の風潮が大切です。

新型コロナウイルスは、飛沫感染と接触感染をすると考えられています。

飛沫感染について
感染者の飛沫(咳やくしゃみ)の中にウイルスが含まれていて、周りの人の粘膜(口、鼻、眼)にくっついて、感染が成立します。飛沫は、最大で2mまでしか飛びませんので、同室にいるだけ、もしくは感染している人とすれ違っただけでは感染は成立しません。無症状の人が予防的にマスクをすることは、実はあまり有用ではなく、咳をしている人がマスクをすることで感染予防になります。このような対策は、咳エチケットと呼ばれます。
https://www.kantei.go.jp/jp/content/000059528.pdf

接触感染について
感染者が咳やくしゃみを手で押さえた後に、その手で周りのもの(ドアノブやつり革など)を触ることによって、ウイルスが付着します。それを他者が触れることによって、他者の手にウイルスが付着し、その手で口や鼻、目を触ることで粘膜から感染を起こします。万が一、手にウイルスが付着したとしても、手洗いやアルコール製剤による手指衛生で予防可能です。
https://www.kantei.go.jp/jp/content/000059529.pdf

新型コロナウイルス感染症について:
ほとんどの方はかかっても、軽度の症状を呈すのみで、自然に治ります。厄介なのは、初期は普通の風邪やインフルエンザの症状(発熱、咳、咽頭痛など)と全く区別がつきません。診断には遺伝子検査(PCR検査)が必要で、1日に検査ができる件数も限られているのが現状です。従って、(中国の湖北省帰り、もしくは新型コロナウイルスに感染した人との濃厚接触者でもない限り)初期の軽度の症状が出ている段階で医療機関を受診しても、検査はしてもらえません。万が一、新型コロナウイルスに感染していたとしても、初期の治療は一般の風邪と全く同様です。

風邪やインフルエンザでは、4-5日以上、症状が改善しないことは稀です(すっかり体調は回復したけど、咳だけが2週間以上続くようなことはよくあります)。新型コロナウイルス感染症は、症状が改善することなく長期間続く印象があります。いつもの風邪よりも、発熱や上気道症状、だるい感じ(倦怠感)が長く続く場合には、医療機関を受診しても良いと思います。もちろん、高齢者や基礎疾患がある方は早めの受診が必要かもしれません。

医療従事者、行政の方々が必死になって、新型コロナウイルスの対応に当たっています。医療従事者でなくても、各々が何ができるかを考えることが大切だと感じています。

亀田総合病院 感染症科 大澤 良介


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このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育