ローテーターからの声:家庭医診療科 金原先生
亀田ファミリークリニック家庭医診療科の金原先生が、5月に当科をローテートしてくれました!
複雑な病態を有する患者さんが多かったですが、一例一例しっかりと向き合っていた姿が印象的でした。
当科での研修に関して感想を頂戴しましたので、以下にご紹介いたします。
**************************************************************
1. 先生の経歴を簡単に教えてください。
岡山県早島町出身。広島大学附属福山高校、大阪大学医学部卒。大阪府の堺市立総合医療センターで初期研修を過ごし、亀田家庭医プログラム診療所コースで家庭医診療科専攻医1年目となりました。
2. 腫瘍内科ローテを選んだ理由を教えてください。
がん患者は日本の死因の1/4を占めていて、これから在宅診療を専門にしていくときにがん診療は必須の知識となると考えました。また大学でも初期研修の病院でもがん診療は細分化しており、また化学療法も内科だけでなく外科にまたがる分野であった中で、当院の腫瘍内科は臓器横断的に勉強できる非常に幅広い分野の診療科であったので選びました。
3. 研修で学びになったこと、得られたことを教えてください。
抗がん剤の適応となる人の背景や、全身状態を考えられるようになりました。またがんによる疼痛や便秘、抗がん剤の副作用での悪心や下痢、血球減少などの対応が具体的にできるようになりました。抗がん剤を導入するときに、どのように患者さんや家族さんに説明を行うかを指導医の横で見学しながら学べました。腫瘍内科に限ったことではないですが、後期研修医として病棟管理を任せてもらえる部分が多く、検査や処方の提案を指導医に行い相談の上で実践していました。
4. 研修で大変に感じたことはありましたか?
診療範囲が幅広いので、診療科の患者数が多く、初期研修では担当しなかった数の患者さんを担当させてもらいました。把握するだけでも時間がかかり大変でしたが、その分非常に多くの経験ができました。病院が広いので病棟を行き来するのが大変でした。
知識面ではわからないこともたくさんあって大変でしたが、先生方に丁寧に教えていただき、特に医療事故を起こすことなく過ごすことができました。
5. どのような人に当科での研修をおすすめしたいですか?
幅広く臓器横断的に見たい方。腫瘍の予後予測に興味がある方。
6. 最後に、先生の今後の意気込みをどうぞ!
がんのスクリーニングから診断するために専門機関に紹介するプライマリケアの部分と、治療を行っても予後が変わらない状況になりBSCとなった終末期の部分を対応する家庭医でこれから頑張ります。がん診療の中核を担う診断から治療の部分について腫瘍内科で診療でき、知識が深められたのはこれからの自分の家庭医として深みが出ました。患者さんへの説明がより明快になり、患者さんそれぞれの思いに寄り添えるような知識を提供できるようになりました。
腫瘍内科で担う部分のうち、治療からBSCへの移行は非常に難しい問題だと感じました。どの先生方も治療に全力であるため、BSCに舵を切るのは難しく、またそうなってからスムーズに在宅移行できるような仕組みとしてもっと早くに併診できる仕組みづくりができたらと思いました。腫瘍内科の先生が専門知識を活かし、その他の業務で時間を取られないように、その在宅移行の部分をもっと家庭医側から強化できたらと考えます。
このサイトの監修者
亀田総合病院
腫瘍内科部長 大山 優
【専門分野】
がんの包括的医療、病状に応じた最善の治療の選択と実践