鳥に取られないうちに

梅雨の晴れ間。昨日までは半袖では寒いくらいの陽気でしたが、今日は朝から気持ちよい青空が広がっていますが、予報では明日からまた梅雨空に戻るようです。この週末は日産婦関東連合地方部会が開催されています。本日は学会のお留守番の拘束で鴨川から出られない古澤です。若い先生たちが当直で頑張ってくれていますが、何か手に負えないようなことがあれば応援に行けるよう待機しています。が、朝のうちに病棟が平和なことを確認して、晴れているうちにやれることをやらなくては。


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我が家のシンボルツリーのクヌギの木。木漏れ日がまぶしい。


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我が家で一番古い木はこのスモモの木。誰がいつ植えたものかわかりませんが、私が初めてこの場所に来た時も今と同じようにたくさんの実をつけていました。
毎年沢山の実をつけるのですが、今年は病気が発生して、多くの実にカビが生えて腐ってしまい、きれいな実がいつもより少ないんです。この辺りでは「巴旦杏(はたんきょう、ばたんきょう)」と呼ばれていますが、正式な品種がよくわかりません。ソルダムというのに似ているのですが、収穫期が若干違うようで、よくわかりません。
こいつが、物凄くうまいんです。皮には酸味があるんですが熟すと真っ赤な実が甘くて、甘くて・・・。結構大きな木なので木に登って網と手製のカギ棒で収穫します。


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人が食べて甘くてうまい、っちゅうことは当然いろんな奴らが狙ってくるわけです。朝早くから「ピーピーッ、ギャーギャーッ」と大騒ぎしながら群れでたかるのはヒヨドリ(葉の陰に隠れています)。こいつらが非常に質が悪いんです。いい感じに赤く熟した頃合いで、あっちを突っつき、こっちを突っつき。1個を食べきらずに次から次へと中途半端に突っついて傷つけてくれます。傷ついた実は蝶やら蜂やら虫がたかって、あっという間に傷んで落ちてしまいます。追っ払っても、追っ払っても群れでやってくるので手に負えません。いつもなら、少しくらいくれてやる、と諦めるのですが、今年は実が少ないのでこいつらにやられる前に少し未熟で収穫するしかありません。


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この「ウグイス色」の鳥、知ってます?
ウグイスじゃないですよ。目の周りが白いでしょ、メジロです。メジロもこの甘い実が大好きなんですが、この子達は大抵ペアでやってきて、すでにヒヨドリが突いて穴が開いた実をつつましくついばんでいきます。小さな鳥なので自分で実に穴は開けられないんですね。この子達はかわいいし、上品なので許してあげちゃうのだ。ヒヨドリは警戒心が強く、人が近づくと「ギャーギャー」とけたたましく鳴きながらすぐ逃げますが、メジロは人が近づいても意外に逃げません。恐らく人の近くだと、ヒヨドリにいじめられる心配がなくなるからじゃないかな。


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実はもちろん、そのまま生でも食べるんですが、程よい酸味と爽やかな香りがジャムにも向いているんです。この鍋一杯分で、数えてみたら150個ありました。皮ごとグツグツ煮込んで作ります。多い年はシーズン中に鍋10杯分くらい作るんですが、今年はそんなにできないな・・・。


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ジャムづくりの合間には、また、例によって草むしり。「ブオーンッ」と大きな羽音がして顔を上げたら、クマバチがアジサイの花粉を集めていました。黒くて、でかくて、毛むくじゃらで、 羽音がでかくて一見怖そうですが、実はおとなしい蜂です。天気の良い春の日に、目の高さ位で円を描くように飛びながら、やたらと近づくものを追いかけるのはオスで、刺す針を持っていません。メスはもちろん刺しますが、よほど意地悪しなければ大丈夫です。なんでも、見た目で判断してはダメですよ、ということです、なーんて言いながら、鳥は見た目で判断して贔屓しちゃうのだ。そう、世の中は矛盾だらけなのだ・・・。

このサイトの監修者

亀田総合病院
産婦人科主任部長 大塚 伊佐夫

【専門分野】
婦人科悪性腫瘍