感染症フェローの1日(平均的なまじめなフェローの1日です)

朝7時半くらいに出勤します(もっと早い人もいるし、もっと遅い人もいます、ちなみに病院としての仕事開始時間は午前8時です)。

出勤してから、まずフォローしている患者さんのカルテを確認します。2チーム(1チーム3人で構成)あり、各チーム30-40名程度の患者さんの併診をしています(主治医として担当している患者さんは少なく、両チーム合わせて最近は6-8名程度です)ので、カルテを開け閉じするだけで結構時間がかかります。電子カルテの温度板(フローシート)と昨夜からの医師と看護師のカルテを確認します。

だいたい8時からチーム回診を開始します。毎日全員の患者さんを回診するわけではありませんが、私のチームの場合は、基本的に毎日全員回診、とても安定していて方針が変わらない人は週2回程度の回診、という方針としています。
サクサク進むとだいたい10:00前に終わります。回診中に、コンサルトや血液培養陽性報告が来るので、それぞれ対応します。片方のチームがコンサルトを受け、もう一方のチームが血液培養陽性例の診察を行います。
平均的には、コンサルトと血液培養陽性例が、合計3-4例程度ですので、各チーム新規の患者さんが1日2名程度です。少ないと両チーム合わせて0名、多いと8名、とかなり幅はあります。
例えば、11月21日は、コンサルト3例、血液培養陽性例が2 or 3例でした。
新規の患者さんの診察は連絡が来た時点で行うことが多いです。
ラウンドしながら、適宜担当医に連絡をして、当科の意見を述べ、治療方針を決めていきます。特にICUの患者さんの場合は(ICUで感染症が疑われた場合、感染症が診断された場合は、基本的に全例コンサルトをいただくことになっています)、ラウンドした際に、なるべくその日の担当のICUの先生とお話しするようにしています。

ラウンド終了後、カルテを記載していきます。だいたい早いと、11時半、遅いと14時くらいまでかかります。
ちなみに、各チームのフェロー3名中、1-2名は、9時から13時半くらいまで外来(内科一般+感染症)ありますので、9時までは全員でランドしますが、9時以降は、各チーム1-2名のフェローで対応します。
日によりますが、フォロー中の患者さんについてのカンファレンスは、午前中に、指導医の先生とチームごとに行うことが多いです(午後に行うこともあります)。
14時から、新規患者さんについてのカンファレンスを開始し、プレゼンテーションとディスカッション終了後、指導医の先生とともに、総回診を行います。
また、午前中に行ったフォロー中の患者さんについて、全体で共有したほうがよいこと(複数の意見をもとに方針を決めたほうがよいケース、教育的なケース)は、全員がアつまったカンファレンスで、再度ディスカッションを行います。
スムーズに進めば、だいたい16時から17時くらいにカンファレンスが終わるのですが、夕方のコンサルトなどあると、それに対応しながらとなるため、大方の仕事が終わるのが18時過ぎることもあります(が、めったに19時までバタバタすることはありません)。

曜日によって、Journal club、Microbiology Round, AST meeting, フェローまたは指導医による講義(論文の読み方、Clinical QuestionsとそのAnswerの発表、症例検討)があります。
また、ローテートしてくれている初期研修医の先生対象に時間があればミニレクチャーをしています。まだ今月は、3回しかできていませんが、あと1週間がんばります(グラム陽性球菌について、グラム陰性桿菌について、グラム陽性桿菌について)。
今月の私のチームの研修医の先生は、自分で週2回、調べものをして、発表してくれています(テーマの例:βDグルカンについて、CMV antigenemiaについて、アクチノミセスについて、急性前立腺炎について...)。それを、チームのフェローと、勉強会部屋にそのときにいる指導医の先生で、コメントしたりして、楽しく勉強しています。
症例の多様性は時によりますが、集中治療科(かなりactiveなICUです)、血液内科(かなりaggressiveな血液内科です)、形成外科、整形外科への併診が多い印象です。主科入院は、骨の感染症、結核、リケッチア感染症、HIV感染症などを担当しています。
患者さん、病院、他科の先生、ローテーターの先生、などすべての人に対して、貢献できる診療科を目指しています。

というわけで、こんな感じで過ごしておりますので、ご興味あるかたは、ぜひ見学に来てください。いつでもお待ちしております。再来年度(2020年度)に、フェローとして当科を盛り上げてくれる人を募集しています!!

このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育