第16回:電子タバコに変えればインプラント手術は大丈夫!?
インプラント治療=禁煙と言われることが多いと思います(第13回参照)。
喫煙は全身の健康だけではなくインプラントの成功率へ悪影響を及ぼすことが数多く報告されており当院でも禁煙をお勧めしています。
その際、患者様の中には「電子タバコに変えたから大丈夫!」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしそうではありません。
現在は「紙巻タバコ」だけではなく「健康被害が少ない」とされている「加熱式タバコ」や「電子タバコ」の使用率が上昇しています。
「加熱式タバコ」はたばこの葉をバッテリーで加熱して煙を吸引するものであり「紙巻タバコ」同様にインプラントの成功率を下げてしまうニコチンが含まれています。
「電子タバコ」はカートリッジ内の液体を電気で加熱して煙を吸引するもので、ニコチンは含まないとされています。そのため「紙巻タバコ」や「加熱式タバコ」よりも健康被害が少ないと感じますが、実際はニコチンが含有された商品が多数出回っており、口の健康にも有害であると報告されています。
2021年までに発表された研究を対象に関連する研究を選択しまとめたところ、「紙巻タバコ」「電子タバコ」喫煙者は非喫煙者と比較してインプラト周囲炎(歯周病)になると報告されています。さらには「電子タバコ」の方が「紙巻タバコ」よりも歯周病を起こしやすいという報告もあります。
このことから「紙巻タバコ」だけではなく「電子タバコ」や「加熱式タバコ」だから大丈夫!というのは歯科の目線から推奨されるものではありません。
そのため当院で治療を行う場合は、問診の時点で喫煙についてお伺いさせていただき、治療やその後の経過を考慮しお話しさせていただきます。
文責:歯科口腔外科 森 清鷹、松田博之
◎インプラント治療をご希望の方は
松田博之医師をご指定ください。
このサイトの監修者
亀田総合病院
歯科口腔外科医長 松田 博之
【専門分野】
口腔外科、インプラント