第3回:デンタルインプラント治療の流れ

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1)検査・診断

デンタルインプラント治療は手術で人工歯根を埋入し、その上の歯をネジで固定する治療です。人工歯根は一度入れてしまうと動かせないため、口の中の状態だけではなく噛み合わせ、お口の習慣、全身的にどのようなご病気をお持ちか、などを把握して治療の方法を決める必要があります。患者さんは歯がなくなって困っていることと思いますし、デンタルインプラント治療に大きな期待をよせていらっしゃることと思いますが、はじめは現状の把握を目的に情報収集をさせていただくことがほとんどです。その情報から診断を行い、患者さんのお気持ち・希望を併せて理想的な治療方法を一緒に決めていきます。また、治療費、予想される治療期間、手術後の不快な症状、それぞれの患者さんの状態に伴うリスクの有無についても説明し、納得いただいた上で治療を進めていきます。

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2)手術

シンプルな手術の場合は1時間前後で終わります。術後の基本的な流れとしては、術後2週間ほどで縫合した傷口の糸取りを行い、術後1ヶ月でレントゲン検査、術後2ヶ月で経過観察、3~6ヶ月で適時レントゲン検査を行います。治療部位が上顎か下顎かによっても治癒期間に差があります。傷の状態とレントゲン写真で問題なければ経過良好と判断し、かぶせ物の治療へ移行します。

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3)かぶせ物

お口の中の型をとって歯を作る工程です。最初の型取りで患者さん一人一人に合わせたフレームを作り、そのフレームを使って精密な型取りを行います。その後は、仮歯(かりば)が入ります。仮歯はプラスチックで出来ています。仮歯を使っていただいている間に噛み合わせ、歯の形、磨きやすさ、レントゲン写真の変化などを確認します。磨き残しのチェックを行い、問題ない状況まで仮歯の形や磨きやすさを調整したした後、最終的なかぶせ物を作製します。最終的なものはセラミック、チタン、金などの生体で安定する材質で作られます。見た目は歯科医師、患者さん、歯科技工士で確認し、天然の歯に近い綺麗なものになります。

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4)メンテナンス

時間、費用、手術のストレスなどを乗り越え入った歯ですので、長期に安定させることが大事です。歯科医師、歯科衛生士によって噛み合わせ、ネジの緩み、歯ぐきの炎症、レントゲンによる骨の状態のチェックを行います。患者さんご自身のホームケアも必須ですので、磨き残しになりやすい部位は指摘させていただき、改めて指導します。どうしても磨きにくい部位については、残っている自分の歯と併せて歯科衛生士による機械を用いた専門的口腔清掃を行います。

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次回テーマ「インプラント治療に必要な検査:CT」

文責:歯科口腔外科 松田博之
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このサイトの監修者

亀田総合病院
歯科口腔外科医長 松田 博之

【専門分野】
口腔外科、インプラント