ERC(European Resuscitation Council) congress 2017@Freiburg (Breisgau), Germany

後期研修医の房田先生がドイツのFreiburgで行われたERC congress 2017に参加しました。

「Blood gas analysis can poorly predict subsequent recovery of spontaneous circulation in patients with out of hospital cardiac arrest: A Retrospective Observational Study」

以下房田先生より
「国際学会での発表。つい半年前までは別世界の出来事だと思っていましたが、今回幸いにしてそのような機会を頂くことができました。
そもそも自分はこれまで、学術活動とはほとんど縁のない人生を歩んできました。大学時代、某教授に「大学にいないと研究はできないんだよ」と言われれば、「じゃあ大学にいなければ研究しなくて済むんだ!」と思い、それを体現するように大学医局を忌避して市中病院での後期研修を選んだくらいでした。
ところがここ、亀田総合病院に来てみますと、皆さん論文やエビデンスに詳しいばかりでなく、それぞれのテーマを持って臨床研究までされている先生もいらっしゃるではありませんか。

さらに自分が所属する救命救急科には、白石先生という統計分析・臨床研究に大変造詣の深い先生がいらっしゃいまして、日常診療の中でも様々なクリニカルクエスチョンを見出し、臨床研究の可能性を模索されていました。そんな中の一つで、「院外心肺停止患者において、血液ガス分析の所見で蘇生中止基準を設けることができるか」というものに興味を持ちました。
すみません、自発的に興味を持ったというと嘘になるかもしれません。白石先生からこのテーマで研究してみないかというお言葉を頂いた形です。蘇生医学については、初期研修病院でAHA BLS/ACLSの受講がほぼ義務であり、しっかりと時間を割いて教育を受けてきたので、興味のある分野ではありました。
元々研究はやるつもりがないというスタンスで来ていましたが、ちょっと興味のある分野での研究テーマを与えて頂いたこのチャンスに、やってみるのも悪くないかなと考えてしまいました。統計は大学1年生後期の講義で、そこそこうまく立ち回って悪くない成績を修めていましたが、今となってはそのすべての知識は忘却の彼方にあり、白石先生に統計分析ソフトRの使い方から丁寧に指導していただきました。怠惰な性格ゆえに、抄録を書くためのデータ集めと分析、ポスター作成、発表原稿作成のどれもが期日ギリギリの様相を呈しておりましたが、それでも何とかFreiburgで行われたERC congress 2017での発表に間に合わせることができました。今後は論文にすることを目指して、努力してまいります。

周囲の先生からよい影響を受け、白石先生からしっかりとした指導を受け、こんな自分でも国際学会の場で臨床研究の発表を行うことができました。自分などよりも臨床研究に興味を持っている先生は、多くいらっしゃると思います。そんな方は亀田総合病院の救命救急科の門を叩くと、近道の一つが待っているかもしれません。」

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このサイトの監修者

亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明

【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科