不動寺Dr.のERひとりでできるもん:〜腹痛に強くなろうvol.2 〜腸閉塞とイレウス〜〜
KMC ERでは週に1回、不動寺センター長によるER Tipsレクチャーが開催されています。
初期研修医やもっとERを学びたい後期研修医向けに一人でER当直を乗り切れることを目標としています。
以下、レクチャーのTipsの一部をシェアします。ぜひ勉強してみてください。
☆イレウスと腸閉塞の違いはわかりますか?
→イレウスは機械的閉塞はない
特徴としては、大腸までガスが見られる、蠕動音低下、CTにて狭窄部が不明
☆亀田流 腸閉塞・イレウスの診断の仕方
- 症状、身体所見から腸閉塞を疑う
- エコー(Xp)で腸管拡張を探す
- 麻痺性イレウスの可能性を考える
- 閉塞部位があれば小腸か、大腸かを鑑別する
- 小腸閉塞であればCTにて原因と閉塞部位を見つける
- 絞扼性腸閉塞、腸管壊死がないか見逃さない
- 消化器外科コンサルト(Xp立位臥位があると外科のフォローに役立つ)
- Xpで腸閉塞とイレウスの鑑別はできない:イレウスでも二ボーは生じる、腸管拡張も起こる
- 腸閉塞の判断の仕方
CTにて盲腸部が拡張しているか→してれば大腸閉塞
注意:上行結腸から盲腸の大腸癌では小腸拡張しかなく小腸閉塞と間違うことがある - 小腸閉塞の画像検査
Xp:感度75%、特異度66%
CT:感度87%、特異度81%
エコー:感度97%、特異度90%
→最初にやる検査は、低侵襲、低コスト、簡便さからもエコーではないか - 画像検査所見の見方
Xpでの見方:写真参照
CTでの見方:腸管径2.5cm以上、狭窄部があるか、Air fluid levelはあるか、Intestinal(small bowel) faces sign(小腸に糞便がありその周囲に狭窄部がある) - 超音波での見方:腸管径2.5cm以上、keyboard sign、to-and-fro movement
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このサイトの監修者
亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明
【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科