ERひとりでできるもん〜整形ver.〜:第5回 骨盤外傷 by 加藤Dr.

本日は亀田整形の新進気鋭かつ天真爛漫な加藤先生によるレクチャーでした。
骨盤骨折の概説、Xpの見方、初期治療に到るまで説明していただきました。
わかりにくい骨盤外傷のXpも持ち前の加藤先生の明るさで非常に明朗な講義でした。
加藤先生は、地域で活躍できる医師を育てることをモットーとしている亀田病院初期研修の地域ジェネラリストプログラムの卒業生です。家庭医をはじめ、循環器や呼吸器など様々な臓器専門科でも患者さんのため最適な医療を届けられるよう活躍しています。加藤先生も診療のみならず教育でも活躍し、加藤先生に憧れて整形を志望する研修医がいるほどです。
これからもERと教育熱心な整形で連携を取りながら診療の質を高めていきます。

以下、tipsの一部を紹介いたします。
〜 Tipsの一部 〜
*安定型:輪状構造の破綻が見られない、大量出血の可能性は少ない。
*不安定型:前方と後方部分に転位を伴う骨折や靭帯損傷がある。大量出血の可能性がある。
*Xpの見方4ステップまとめ
1.全体像
大きなずれは?縦にラインを引く
腰椎棘突起が左右対称か
腸骨の形・高さが左右対称か
2.前方
恥骨腸骨ラインが途切れていないか、閉鎖孔が左右対称か、恥骨結合の幅が開いていないか。>2.5cmの離開=後方の靭帯損傷あり
3.後方
腸骨稜の骨折ないか
仙腸関節の形は左右対称か
仙腸関節>4mm離開は異常
仙骨孔を追って骨折ないか
第5腰痛の横突起骨折あり→腸腰靭帯断裂→不安定な骨盤骨折あり!
4.寛骨臼周辺
腸骨恥骨ライン
坐骨腸骨ライン
Tear drop
寛骨臼前縁・後縁
に骨折がないか

*ERひとりでできるもん整形ver.について*
今年度から亀田ERと整形外科でタッグを組み、より整形疾患に強いER診療を目指すべく月に1回レクチャーを開催しています。
対象は救急での整形疾患に強くなりたいジュニア・シニアレジデントです。毎週第4火曜開催、診療科を問わず誰でも歓迎です!

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このサイトの監修者

亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明

【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科