合格体験記(2)
亀田総合病院麻酔科後期研修医2年目の金顓と申します。
この度は2022年度の日本区域麻酔認定試験(以下J-RACE)に合格しましたので、体験記を書かせていただきます。
亀田総合病院では、神経ブロックを併用した麻酔を積極的に使用しています。私が初期研修医で麻酔科ローテ時に、初心者に比較的に易しめの腹直筋鞘ブロックや腹横筋膜面ブロックから教わっていました。後期研修医として働きだしてからは、更に大腿神経ブロック、坐骨神経ブロック、腕神経叢ブロックなどを一通り経験させていただきました。
患者様に不利益が出ないよう、したことのないブロックを予定している前日には、必ず教科書で解剖、手技、エコー上の構造を確認しておきます。当日は指導医の先生と一緒にブロックを行い、フィードバックをいただくのが基本です。指導医及び外科の先生方のおかげで、一年もしないうちに多くのブロックに対応できるようになりました。
楽しく研修生活を過ごしている中、J-RACEの受験を勧められました。J-RACEが発足して、今回は3回目となります。事前の情報が少なく、どういった形式の試験かも知らなかったため、勉強方法ですらわかりませんでした。
当科にはJ-RACEに合格した医師が数人もいるため、ある程度対策を練ることができます。『問題形式で学ぶ区域麻酔と疼痛治療』を中心にブロックの基本知識を頭に叩き込んでおいた上で、エコーガイド下アプローチに関しては普段使い慣れている教科書でさらに詳しく勉強しました。大事なポイントをすべてEvernoteに書き込みましたので、普段わからなくなったときや、後輩指導のときに使えます。
今年の1月から3ヶ月間、東京女子医科大学麻酔科で研修させていただきました。東京女子医科大学ではJ-RACE対策の勉強会が盛んに開催されており、知識の補強ができました。
今年の試験は沖縄で行われました。自信を持って解けた問題が半分ほどで、ペイン領域の問題や触れる機会の少ないブロックに関する問題も多かったです。さらに普段きちんとブロックをやっていないと解けない臨床問題もたくさん出ました。
亀田総合病院及び東京女子医科大学の先生方のご指導のおかげで、無事に合格できました。区域麻酔の知識や経験はまだ浅い私からすると、J-RACEは区域麻酔の勉強の始まりです。手技の精度を高めるとともに、新しいブロックに挑戦していきたいと思います。
亀田総合病院の麻酔科では、手術室だけではなく、区域麻酔を駆使してAcute Pain Serviceとして病棟出張も行っています。また、臨床研究も積極的に実施しています。私もブロックに関する臨床観察研究を現在進めております。
区域麻酔や臨床研究にご興味のある方、もし良かったら一緒に働きませんか?亀田総合病院でお待ちしております。
後期研修医 金顓
このサイトの監修者
亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収
【専門分野】
麻酔、集中治療