福田先生の論文がBMC Pulmonary Medicineに掲載されました
当科専攻医の福田先生の論文がBMC Pulmonary Medicine に掲載されました。
Effect of impaired kidney function on outcomes in patients with non-HIV Pneumocystis pneumonia treated with trimethoprim-sulfamethoxazole: a multicenter retrospective cohort study
Senichi Fukuda, Hiroki Matsui, Haruka Fujioka, Yuya Homma, Tatsuya Nagai, Shin-ichiro Ohmura, Toshiaki Miyamoto, Daisuke Shichi, Tomohisa Watari, Yoshihito Otsuka, Kei Nakashima
BMC Pulm Med. 2026 Oct 7. doi: 10.1186/s12890-026-04797-9.
(https://link.springer.com/article/10.1186/s12890-026-04797-9)
ニューモシスチス肺炎(PCP)は、免疫機能が低下した患者さんに発症する重篤な肺感染症です。標準治療薬であるST合剤は、腎機能障害や高カリウム血症などの副作用が問題となりますが、治療開始時の腎機能がPCPの予後にどのような影響を及ぼすかは十分に明らかになっていませんでした。
本研究では、当科の中島主任部長を中心に進める多施設共同研究「RE-VISION-PCP」のデータを用いて、国内3施設の非HIV-PCP患者143例を対象に、治療開始時の腎機能と予後の関連を検討しました。
患者背景を調整した解析では、腎機能低下群と腎機能保持群の間で、30日死亡率および180日死亡率に明らかな差は認められませんでした。 一方、腎機能低下群では高カリウム血症の発生率が高いという結果でした。
本研究は、ST合剤で治療を開始した非HIV-PCP患者において、治療開始時の腎機能低下と予後不良との明らかな関連が認められなかったことを示しています。ただし、症例数が限られており、腎機能低下が予後に影響しないと断定できるものではありません。また、腎機能低下例では高カリウム血症に十分注意する必要があります。
当科では今後も、多施設共同研究を含めた臨床研究を通じて、日常診療で生じる疑問の解明と、より良い診療の実現に取り組んでまいります。