ERS Congress 2026に参加しました
2026年9月5日から9日まで、スペイン・バルセロナのFira de Barcelona Gran Via会場で開催されたEuropean Respiratory Society(ERS)Congress 2026に、当科の伊藤博之部長と舟木佳弘が参加しました。
今回、舟木はPoster Session“Translating lung cancer: exploring new pathways on pathogenesis, treatment, resistance and toxicity”
において、“Association between ATS 2025-defined interstitial lung abnormalities and checkpoint inhibitor pneumonitis in lung cancer: a retrospective cohort study”を発表しました。
学会では、今後の呼吸器診療につながるさまざまな新しい研究成果も発表されました。中でも大きな注目を集めていた演題の一つが、COPDに対する抗IL-33抗体tozorakimabです。標準的な吸入治療を行っていても増悪を繰り返すCOPD患者を対象とした第III相試験の結果が発表され、学会期間中にNew England Journal of Medicineにも報告されました。関連セッションでは入場を待つ長蛇の列ができており、新たな治療選択肢への関心の高さがうかがえました。
舟木は自身の発表に加え、間質性肺疾患(ILD)やIPF(特発性肺線維症)合併肺がんに関するセッションを中心に参加しました。中でも、今回発表されたIPF合併肺がんに対するERS Clinical Practice Guidelineのセッションは、日常診療にも直結するテーマでした。IPF患者さんの肺がん診療では、がん治療による利益と治療に伴う肺障害や原疾患悪化のリスクをどのように両立させるかが大きな課題であり、各国の専門家による議論を直接聞く貴重な機会となりました。
一方、伊藤部長はILDや肺高血圧に関するセッションを中心に参加しました。テロメア関連疾患と間質性肺疾患をテーマとしたセッションで、これまで症例相談などを通じて交流してきた海外の研究者の発表を聴講し、会場から肺移植に関する質問を行いました。セッション終了後には、以前から親交のあるフランスの研究者らと直接意見交換する機会もありました。
日頃はオンラインや個別のやり取りで交流している海外の研究者と、実際に顔を合わせて議論できることも、国際学会に現地参加する大きな魅力の一つです。
舟木にとっては久しぶりの国際学会への現地参加となりました。自身の研究成果を海外で発表するとともに、世界各国の研究者が活発に議論する学会の雰囲気を体感し、来年度以降も臨床研究を継続し、国内外へ研究成果を発信していきたいというモチベーションを改めて高める機会となりました。
今回得られた知見や刺激を、今後の診療や臨床研究に還元していきたいと思います。また次回は、当科の専攻医の先生方も含め、さらに多くのメンバーで国際学会に参加し、それぞれの研究成果を発信できればと思います。
執筆担当者:亀田総合病院呼吸器内科 舟木佳弘