永井先生の論文がAllergy, Asthma & Clinical Immunologyにアクセプトされました
当科部長代理の永井先生の論文がAllergy, Asthma & Clinical Immunologyにアクセプトされました
Comparative effectiveness of mepolizumab and omalizumab in patients eligible for both: a retrospective cohort study
Tatsuya Nagai, Naoki Inoshima, Hiroki Matsui, Norihiko Kubota, Yoshihiro Funaki, Ayumu Otsuki, Hiroyuki Ito, Kei Nakashima
Allergy Asthma Clin Immunol. 2026 Jul 16. doi: 10.1186/s13223-026-01055-9. Online ahead of print.
(https://link.springer.com/article/10.1186/s13223-026-01055-9)
重症喘息に対する生物学的製剤には、抗IgE抗体であるオマリズマブや、抗IL-5抗体であるメポリズマブなどがあります。実際の診療では、アレルギー性喘息と好酸球性喘息の特徴を併せ持ち、両方の薬剤が適応となる患者さんもいます。
本研究は、「オマリズマブとメポリズマブの両方が適応となる場合、どちらがより有効か」という臨床上の疑問を検討したものです。
当科で両薬剤の適応を満たした重症喘息患者さんの診療データを解析したところ、メポリズマブ群ではオマリズマブ群と比較して、治療開始後の喘息増悪率が低いという結果でした(調整後発生率比 0.37、95%信頼区間 0.19~0.69)。
一方で、救急受診や入院、経口ステロイド使用量の変化については、両群間に明らかな差は認められませんでした。
本研究は、単施設で行われた後方視的研究であり、すべての患者さんで一律にメポリズマブを選択すべきことを示すものではありません。しかし、複数の生物学的製剤が選択肢となる重症喘息患者さんにおいて、特に増悪の予防を重視して薬剤を選択する際の参考となる結果と考えられます。
重症喘息の治療では、血中好酸球数、アレルゲン感作、過去の増悪歴、併存疾患などを総合的に評価し、患者さん一人ひとりに適した治療を選択することが重要です。
当科では今後も、日常診療から生まれる臨床上の疑問を研究につなげ、より良い喘息診療に貢献してまいります。