総合内科1分レクチャー (5)発熱性好中球減少症
NF neutropenic fever
(1)Risk
- Low: 熱以外元気で外来化療中&好中球数<500が7日以内
- High: それ以外全部
原因:バリアの破綻:好中球、リンパ球、粘膜など
病原菌:GPC > GNR>>>嫌気性菌 → 真菌 → VRE
(St. aureus/epi)(腸内細菌、緑膿菌)(カンジダ&アスペル)
(2)初期対応:輸液(生食ボーラス開始)、pan cultures、全身評価(脈拍数+POx)
(3)抗菌薬治療
- 開始は60分以内に開始(救急外来で開始する!、一発目直ちに)
- レジメンは表を参照
- 低リスクも原則入院治療を推奨
- 化学療法に慣れた医師が、外来治療オーケーと判断したときだけ外来オーケー
(4)G-CSFの使用: NFにおける試験で生存率改善効果は示されていない(入院期間短縮あり)
- 治療:NFにおけるG-CSFの投与はガイドライン使用しなくてよいことになっている。
- "Not be routinely administered"
- 予防:NFリスク10-20%以上は投与して良い
- 頭頚部がんと肺がんでケモラジ中はGCSFの(ルーチン)投与は避ける
(5)特記事項
- 尿路感染・胆道感染は局所症状が出にくい上に敗血症になりやすい
- ベースの状態不良:PS低い(3,4)、重篤な併存症、75歳以上も敗血症になりやすい
- NF対応
- 準NF対応
- 一般内科対応
化療中の患者、化療をされていた患者は好中球数が低い人が多い、その他リスク高い場合、感染症を疑う症状が発生したら、「疑わしきは罰する(治療する)」とモットーとする
起因菌の同定が出来ないときにはbroad spectrumにカバー(GPC+GNR+/-嫌気性菌)
このサイトの監修者
亀田総合病院
腫瘍内科部長 大山 優
【専門分野】
がんの包括的医療、病状に応じた最善の治療の選択と実践