今朝の救命救急科カンファレンスより

 とある病院では、咳を訴えて救急外来を受診する患者の5%が肺炎であることがわかっている。その中のある一人の喘息の無い患者さんを診察したところ、発熱・頻脈は無く、呼吸音は左右差無くよく聴取できるが、右側でcoarse crackleを聴取した。この患者が肺炎である確率は?

 1%

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2221647

肺炎の診断を単独の身体所見で下すことは難しい。Coarse crackleは肺炎の有名な所見であるが、上記の例のように単独では肺炎と判断することは難しい。
肺炎を疑うときは、複数の身体所見をもとに考える。そのために紹介したHeckerling ruleを始めとした複数の予測モデルがすでに開発されている。
5点満点のルールで、3点以上(高齢者などリスクの高い場合は2点以上)で胸部単純写真が必要と用いられている。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明

【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科