ご挨拶

p_fudoji.jpg救命救急科プログラム責任者 不動寺 純明

 亀田総合病院救命救急センター(亀田ER)は千葉県房総半島の南部にあり、約30万人をカバーしている救命救急センターです。この地域は病院が少なく救急車で約1時間の範囲から、軽症から重症まで症例に偏りなく救急患者が集まってくることが特徴です。救急受診者数は年間28000人、救急車搬送4800件、ドクターヘリ搬送124件で救命救急科はER型救急として、救急外来およびラピッドカーによる病院前救急に力を入れています。一方、重症患者のICU管理は集中治療科が担当し、救命救急科と集中治療科が両輪として亀田の救急医療を担っています。

 亀田ERが最も重視していることは「救急診療の質」です。そのために初期研修医を含め教育に力を入れており、診療はエビデンスを重視し、世界標準の救急医療を目指しています。また、研究にも重きをおき、論文の批判的吟味から始まり、他施設共同研究への参加、国際学会への積極的参加、論文作成の指導なども行っています。

 亀田ERの研修は救急科専門医と集中治療科専門医を取得することを目標としており、救命救急科のみの研修ではなく、集中治療科とともに合同プログラムを作成しています。将来的に救命救急センター、二次救急病院、ICUなどすべての環境において活躍できる救急医の育成を目的としています。研修終了後は国内救命センターでの活躍にとどまらず、米国で活躍するもの、発展途上国の国際支援を行うものなどさまざまな分野で活躍しています。

 重症患者、外傷患者などを集約している救命救急センターにくらべ、症例数や重症度はやや劣りますが、バランスが良い、質の高い救急医を育てることを使命として教育を行っています。このような亀田ERに興味を持ってもらえれば幸いです。