亀田総合病院　循環器内科

冠動脈疾患・末梢動脈疾患・弁膜症疾患を対象に治療にあたっています。地域の特徴として、重症化した心臓疾患の患者様が近隣のみならず南房総全域から多数搬送されてくるため治療件数も豊富で、24時間体制でスタッフ一丸となって治療に従事しています。
最先端の医療を提供できるよう常にアップデートを続け、Excimer laser・DIAMONDBACK・IVLが使用可能であり、最近では末梢血管用血栓吸引デバイスINDIGOが導入されています。また、ImpellaやECMOといった補助循環デバイスによる集学的治療も行っています。
充実した指導医によるサポートの下で後期１年目からカテーテル検査を行い、成熟度に合わせて治療の執刀も積極的に行ってもらっています。PCIの治療適応はエビデンスを鑑みて慎重に決定しており、そのため当院での緊急PCIの割合は全症例中40%以上に達します。必要な方に適切な医療をお届けすることを日頃より心がけています。
心臓血管外科との連携は密接であり内科・外科の垣根なく治療選択を共に協議できる環境にあります。当院の虚血チームでは専門分野を決めていない先生であっても後期研修修了時にCVIT認定医取得を目指し、多くの症例を経験しチームの中心的役割になっていただいています。

心房細動、心房粗動、上室性頻拍に対するカテーテルアブレーションの他に、心室性期外収縮・心室頻拍等の重症不整脈に対しても積極的な治療を行っています。アブレーションは国内で使用できる全ての3Dマッピングシステム（CARTO・Ensite・Rhythmia）と Cryoablationに加え、パルスフィールドアブレーションも導入し、症例に応じて使い分けています。心房細動や心室頻拍のアブレーションは麻酔科による全身麻酔管理で、ストレスなくアブレーションに専念できます。
デバイス治療に関しては、房総半島の基幹病院として重症心不全症例が多く集まることから、CRTやハイパワーデバイスの症例を多く経験できます。リードレスペースメーカーやS-ICDなどのデバイス選択もカンファレンスで検討し、挿入から必要に応じた抜去まで、トータルのリードマネージメントを学ぶことができます。
毎週おこなわれる不整脈勉強会は若手の医師から不整脈の上級医までが担当し、自分で勉強したことや最新のトピックを共有しています。若手の医師は一定期間チームに加わり積極的に手技を行ってもらうことで、不整脈診療の知識と技術を習得していただきます。
多種多彩な不整脈治療に関わることができるため、不整脈医を志す医師にとっても自信をもってお勧めできる環境です。

当院ではTAVI・MitraClip・Watchmanといった最先端の経皮的心臓構造疾患治療を行っており、加えて、経皮的心房中隔欠損(ASD)/動脈管開存(PDA)閉鎖術を行えるようになりました。循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医のほか、看護師、臨床工学士、生理機能技師、放射線技師などから構成されるチームで治療にあたっています。
心臓構造疾患治療はCT・心エコー・カテーテル検査などで患者様の状態を把握した上で、職種の垣根を越えてカンファレンスを行い様々な角度で分析し治療方法を検討することが重要となります。
当院では毎週カンファレンスを行い、患者の選定と手術の検討をしています。また、経食道心エコーによる手術サポートが必須であるため、当科ではJB-POTなどの資格取得を推進しており、有資格者の若手の先生も在籍しています。
当院での治療件数は年々増加傾向にあり、今後の発展が期待されている分野であり、積極的にカンファレンスや手術に参加することで治療に関する理解も深めることができます。