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神経ブロック中に見つかった、思いがけない超音波所見 ― Anesthesiology誌に掲載されました

学術活動
Anesthesiology誌の "Images in Anesthesiology" というコーナーに、当院の麻酔科から出した超音波画像が採用されました。

きっかけ

69歳男性の足首の骨折の手術で、痛み止めのために膝窩より坐骨神経ブロックをしようとしたら、神経が普段よりだいぶ腫大していることに気が付きました。健康な人の神経と並べてみると差は明らかで、断面積は基準値の倍以上、正常なら見える蜂の巣状の構造も崩れていました。

術後に脳神経内科へ紹介したところ、CIDP(慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー)という診断がつきました。この患者さん、転倒を繰り返し以前も骨折しており、それもこの病気のサインだったのかもしれません。

気づけた理由

私は脳神経内科専門医で、今は麻酔科専門医の書類申請中です。神経内科で神経筋疾患を診てきた経験があったから、「この腫れ方は末梢神経障害を考えるべきだ」とすぐ判断でき、迷わず神経内科への精査依頼につなげました。

神経ブロックについて

CIDPのような神経自体が腫れている患者に神経ブロックをしていいのかというのは、実は明確な指針がありません。腫れて弱っている神経に麻酔薬が直接入ると、神経を傷めるリスクが高まると言われています。今回は神経の中に薬液が入らないよう、超音波で確認しながら周囲に慎重に打ちました。結果として十分な鎮痛が得られ、新たな神経症状もありませんでした。

おわりに

手術室の超音波が、たまたま隠れた病気に気づかせてくれた一枚です。神経ブロックの際は針先や薬液の広がりばかりに目が行きがちですが、神経自体の太さや内部構造も、時々こうして見るものだなと思わされた症例でした。

大熊先生おめでとうございます!